妊娠中期/超音波検査・エコー写真

赤ちゃんの性別はいつ分かる?産み分け、性別ジンクスの本当のところ

妊娠中の赤ちゃんの性別は受精の瞬間に決まっています。お母さんの卵子にYの染色体をもつ精子が受精すれば男の子、Xの染色体をもつ精子が受精すれば女の子となります。超音波検査で胎児の性別を一番確認しやすいのは、妊娠20週頃です。性別ジンクスの本当のところ、男女の産み分け技術も気になる話でしょう。

竹内 正人

執筆者:竹内 正人

妊娠・出産ガイド

お腹の中の赤ちゃんの性別、いつ分かる?

お腹の赤ちゃんは男の子か、女の子かは、実は受精の瞬間に決まっています。お母さんの卵子にYの染色体をもつ精子が受精すれば男の子Xの染色体をもつ精子が受精すれば女の子となります。
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妊娠中の赤ちゃんの性別はいつ分かる?

どちらの性になるかの情報を積んだ受精卵は細胞分裂を繰り返します。妊娠7週頃には、目や鼻、口びるなどの顔は形作られてきますが、男女とも構造上はまったく同じで、性器はともに女性型になっています。
   

性別が男の子の場合、アンドロゲンという男性ホルモンが外性器と脳を男の子型に

妊娠8週に入ったところで、ようやく男女の区別ができ始めます。男の子の場合は、Yの染色体上にあるSRY遺伝子(性決定遺伝子)の作用で未分化性腺が精巣へと分化しますが、Y染色体のない女の子は卵巣へと分化するのです。

精巣からは「アンドロゲン」という男性ホルモンができてきます。この男性ホルモンの作用によって、本来大陰唇になるはずだったところは陰嚢に、クリトリスになるはずだったところはペニスになります。そして、14~20週くらいになると、アンドロゲンが大量に分泌されるようになり、脳が男の子型へとなってゆくと考えられています。

この時期は、ちょうど神経細胞に細胞死が起きる時期にあたり、アンドロゲンシャワーといって、子宮の中で浴びるこのアンドロゲンが、赤ちゃんの脳に作用して細胞死を促進したり、抑制したりすることで、男の子と女の子の脳の構造の違いを作っているというのが、脳の性分化といって今の脳科学の考え方です。
 

胎児の性別は超音波検査では妊娠20週前後が確認しやすい

産前にお母さんに告げる、告げないは別として、医師は超音波検査の中で、性別を確認します。早ければ妊娠14週頃から確認が可能です。一番確認しやすいのは妊娠20週前後でしょう。

しかし、赤ちゃんが背を向けていたり、股を堅く閉じていたり、陰部を足で隠していたりして、見せてくれないこともあります。また、女の子でも、へその緒を股間に挟んでいると、男の子と間違うケースもありえます。

ただし、超音波の精度も良くなったので、胎児の性別を見間違うことは、まずなくなってきています。
 

赤ちゃんの性別を知りたくない場合は、あらかじめ伝えておこう

性別は、生まれるまで楽しみにしておくのもいいし、早めに聞いて、赤ちゃんグッズ選びの参考にするのもいいかもしれません。

性別を知りたいときは、超音波検査をする前か、検査中に「もし分かれば性別を教えてもらえますか」と、尋ねてみましょう。もしその時に、まだ知りたくない場合は、検査前に「先生、性別は教えないでくださいね」と、話しておいてください。そうでなければ、余計なおせっかいで、ついぽろりと話してしまったり、超音波画面にはっきり外陰部を映してしまうかもしれませんので。
 

妊娠中の性別ジンクス、当たる?外れる?

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妊娠中の性別ジンクスに医学的根拠はない

昔から言われているのが「お腹が前に出てきたら男の子、前でなく横に出てきたら女の子」や「顔つきがキツくなったら男の子、優しくなったら女の子」という性別ジンクス。今でも、周囲の人から、お腹や顔つきを見て、女の子か男の子かを告げられる妊婦さんも多いようですが、このジンクスに医学的根拠はありません。

また電磁波を浴びていると女の子が生まれやすいという噂も聞きますね。コンピューター関係の仕事をしている妊婦さんの赤ちゃんは女の子が多いとよく言われていますが、統計上の根拠は出ていません。

妊娠中の性別ジンクス・迷信、当たる?外れる?
 

男女の産み分け法は可能なの?

精子の性質を活かすことで、排卵日何日前の受精なら女の子、何日前が男の子、とタイミングで男女の産み分けができると諸説言われていることもあります。実際には、タイミング法で男女の産み分けの可能性が上がることは証明されていません。

また、着床前診断による産み分けは、技術的には可能です。体外受精、顕微授精など体外で受精させた受精卵が4~8個に分割した段階で、1~2個の細胞を採取し、遺伝子や染色体異常の有無を調べます。これを「受精卵診断」といいます。正常であった残りの受精卵のうち、性染色体がXY(女児)か、XX(男児)を子宮内に戻すことで、100%産み分けができることになります。

ただし、倫理的には受精卵診断は「命の選別につながる」優生思想として、日本では、その実施は厳格に制限されていて、現在は重篤な遺伝性疾患と染色体転座に起因する習慣性流産に限り、ケース毎に適応の可否を審査したうえで行われています。しかも、病気と性別が密接に関係する場合を除いては、性別は教えないことになっています。


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