もし、「敷金なし」という物件だったら?
契約するときにお金はできるだけ少ないほうがいい、と思い、「敷金なし」の物件を借りたとしましょう。入居中、特になんのトラブルもなく家賃も滞納していなければ、退去するときには問題はありません。ですが、原状回復義務はありますから、それにかかる費用はたいてい必要になります(一定料金にしているケースもあれば、使用状況に合わせて料金が計算されるケースもあります)。つまり、契約当初にお金を預けて、そこから引かれるか、退去するときにお金がかかるか、どちらかなのです。
■大家さんの立場としては?
それでは、部屋を貸す大家さんの立場で考えてみましょう。高い建築コストをかけて建てた自分のアパートやマンションを貸したら、ちっとも家賃を払ってくれなかった、なんてことになったらかなりショックですよね。
そのために、やはり最初に「なにかあったときのために」お金を預かっておきたいものです。
しかも、大家さんとしては1ヵ月家賃を滞納したからって、「退去してくれ」といっても、実際には家賃を滞納した入居者に退去してもらうには数ヵ月かかってしまいます。それを考えると、最初に預かっておく保証金は最低2~3ヵ月必要になるというわけです。
ちなみに、アメリカでは保証金を1ヵ月分預かるのが相場だそう。アメリカでは家賃を滞納したら即刻退去!させられるため、保証金は1ヵ月でもいいそうです。
■では、敷金は何ヵ月が妥当?
以上のことから考えると、入居中の保証金として、また退去時の修繕費として考えれば、3ヵ月は必要だと思います。公団の物件が礼金はないけれど敷金が3ヵ月というのは、やはりそのあたりを考慮しているんでしょうね。
高額な物件になるほど、設備や仕様も高額になるため、修繕費もかかります。そのため、敷金6ヵ月なんて物件もなかにはあります。逆に、かなり古い物件だと敷金1ヵ月という場合も。部屋を借りるときには、敷金○ヵ月という数字だけを見て、費用が高いか安いかを判断していると、退去時に思いもかけぬ請求書が送られてくるなど、思わぬ落とし穴にハマッてしまうこともありますよ。
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