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できるだけ多く戻したい! 敷金トラブルを防ぐ方法

借りた部屋を退去するときに行われる敷金精算。でも、トラブルが多いのも事実です。それは、原状回復義務に関する考え方に貸し主と借り主でズレがあるから。さて、トラブルを未然に防ぐには?

加藤 哲哉

執筆者:加藤 哲哉

賃貸・部屋探しガイド

退去の時の敷金精算ではなにかとトラブルが起きやすいのですが、それは貸し主・借り主双方の「原状回復義務」に対する考え方が違うから。
でも、どうせならトラブルなくスムーズにそして多く返還してもらって退去したいですよね。そこで、トラブルを未然に防ぐためのポイントを3つ伝授しましょう。

【契約する時のポイント】
まずは、最初に部屋を契約する時が重要。契約書って、専門用語がバンバン出てくるし、難しそうでイマイチ苦手…って思いがち。でも、ここでチェックしておくかどうかは、後々の退去の時に大きく影響してきます。

契約するときには、「重要事項の説明」が行われます。これは、契約する前に物件の設備や条件などを細かく説明し、「これでOKですか?」と確認するもの。もちろん、この段階で契約を止めてもいいのですが、実際には契約書に判を押す直前に行われることが多く、じっくりと検討する時間が少ないことが現実です。物件が気に入って申込んだ際にどんな契約内容で契約するのかコピー等をもらって契約前に自分で読み込んで、納得できる内容かを確認しておきましょう。

たいていの場合、契約書には契約する時の条件の記載があり、そこに「契約終了時の敷金などの精算に関する事項」の記載があるはず。ここには、「家賃滞納分と相殺する」とか、「原状回復費用として使用される」などの記載があるのですが、具体的にその原状回復費用の範囲が決まっているかどうかを確認しましょう。
具体的な記載がある場合はいいですが記載がない場合には要注意。例えば、畳が日焼けして変色した場合の費用負担割合等で退去時にモメることが多くなります。
契約時にできる限り、具体的な費用負担を決めておくとスムーズに退去できます。記載がない場合は「通常の使用に伴ない生じた本物件の損耗を除き本物件を原状回復する」旨を条文にいれてもらいましょう。

【入居前のポイント】
新築の部屋を借りるならともかく、中古の部屋を借りる場合には、そこにあったキズが自分がつけたものなのか、入居前からついていたものなのか、でモメることがあります。
そこで、中古の部屋を借りる場合には、引っ越しする前に部屋をチェックして、すでに壊れている設備は直してもらえるのかどうか、治してもらえないのら、最初からその状態であったことを入居する前に不動産会社(または大家さん)に伝えておくのがいいでしょう。写真付きのチェックシートを作り、大家さん(または管理会社)の確認サインをもらっておくのがベストです。

【暮らし方のポイント】
最後のポイントは、暮らし方にあります。専門用語で「善管注意義務」といいますが、それは「他人のものを預かって暮らしているという意識を十分に払って暮らす義務」のことで、要はいくら借り物の他人の部屋とはいえ、めちゃくちゃに住むことはいけない、ということです。
ちょっとした気配りでキレイに住めば、敷金だって多く戻ってきますし、そうすればトラブルだってありません。
そのためには、「自分のものを使う時より大事に使って暮らす」こと。こまめに掃除をしたり、丁寧に扱うだけで、退去するときにはかなり違ってきます。部屋にカビが生えてもそのまま、なんてことにならないように、こまめに掃除をしましょう。
具体的な掃除の仕方はまた別の機会に!

<関連記事>
敷金って戻ってくる?こない?
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敷金を多く戻すための対策術

<関連ガイドサイト>
退去するときの敷金精算
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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