賃貸住宅と切っても切り離せない深い関係のある敷金。なにかとトラブルが多い曲者ですが、そうはいっても上手に付き合えば、トラブルを回避でき、快適な生活が保証されます。
そのために、今回は敷金について一緒に考えてみましょう。
(※注 敷金の制度は、地方によっても異なるため、今回は首都圏を中心とした敷金について取り上げてみました)


そもそも「敷金」とは?

敷金とは、「賃借人が契約するときに家主に支払うお金で、入居中に家賃の未払いなどがあった場合などに備えて預けておくお金」のこと。部屋を退去するときには、入居中に家賃の未払いなどがなければ返還されるものなのです。つまり、保証金ってわけですね。

■じゃあ、敷金は返ってくるもの?
保証金という意味合いを持つのなら、なんのトラブルもなく家賃も滞納しなければ、敷金は全額戻ってくるはず。ですが、実際には預けた敷金より少なくなって戻ってくることがほとんどです。それは、なぜでしょう?

その理由は、退去するときにそれまで住んでいた部屋の設備や仕様を普通の暮らしの使い方以上に損耗した部分の修繕費が差し引かれるから。実は、これがトラブルの原因なのですが…。

ちょっと話がそれますが、部屋を借りた人は、その借りた部屋を大事に使う義務があります。いくら家賃を払っているからといって、どんな使い方をしてもいいというわけではないのです。ちょっと難しい言葉で「善管注意義務」といい、これは善良な管理者(賃借人)は注意を持って住まなければならない義務のこと。ですから、故意に壊したりしてはいけないのです。
それでも、故意ではなくても過失でものを壊してしまうこともありますし、まれには善管注意義務違反をする人もいるでしょう。その場合には、入居者がもとに戻す義務があります。これが、「原状回復義務」というのです。


原状回復義務とは、決して「最初に借りた状態に戻す」ということではありません。現在では、普通に暮らしていて損耗した分、例えば、年数が経って壁紙が汚れたとか、畳が擦り切れたなど、経年変化による自然損耗分については、貸主が負担するという考え方が主流になってきたようで、以前のように「新築で貸したんだから、新築に戻して返せ!」という大家さんは徐々に少なくなってきているようです。

話を元に戻しますが、契約時に預けた敷金から、入居者が故意または過失によって通常の使用以上に損耗した分が差し引かれ、残りが戻ってくるというわけなのです。