心気症では体のありふれた不調をより深刻な病気の症状であると解釈してしまいます |
そうした不安感は大抵は一時的ですが、時には不安感が持続してしまい、頭痛、だるさといったありふれた不調を深刻な病気に結び付けてしまい、その病気への不安、恐怖から、日常の生活が手につかなくなってしまうことがあります。今回は、悪い病気にかかっていると思い込んでしまう心の病気、心気症についてお話したいと思います。
心気症の特徴
例えば、仕事でストレスが溜まっているビジネスマン。気分を発散させるため、夜遊びしてしまったのですが、体にちょっと不調が生じてしまいました。「もしかしたら悪い病気をもらってしまったのではないか」と思い悩み、病院へ行って検査を受けました。異常は見つからないにも関わらず、納得できず、病気に関する不安はつのるばかりです。本やインターネットで検索するなどして、できる限りの知識で自分の症状と比べていると、幾つか当てはまるところがあります。朝、目が覚めて、体の調子が悪いと、すぐさま、その病気に結びつけてしまい、そのまま病院へ行って検査してもらうという事もあり、病気への不安から仕事どころではなくなってしまいました。
このように体の不調を悪い方向へ過大評価してしまう事が心気症の特徴です。心気症の原語であるhypochondriasis自体、肋骨の下の部分を訴える人が多いことから、肋骨の下の部分を意味するhypochondriumという語に由来しています。
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