アルゼンチン/アルゼンチンの国内交通

アルゼンチンの長距離バス

アルゼンチン国内ので、飛行機と共によく利用されるのが長距離バス。通常、飛行機では行けない場所でも、バスがしっかりと網羅しています。主な路線の所用時間や金額を簡単に解説しておきましょう。

栗本 斉

執筆者:栗本 斉

アルゼンチンガイド

長距離バスはアルゼンチン旅行の味方

どんな場所でも長距離バスで行くことができる

どんな場所でも長距離バスで行くことができる 写真提供:YONYON(世界一周御披露目帳)

アルゼンチンの国内旅行には、長距離バスが欠かせません。以前は鉄道もたくさん走っていたのですが、現在ではごく一部の路線を残して、すべて廃線となってしまいました。その一方で、高速道路などのインフラが整備されることで、どんどん長距離バスが発達していきました。今では、国内旅行はほとんどが飛行機と長距離バスによって移動することになります。

長距離バスの良さはたくさんありますが、やはり一番はリーズナブルな値段。どこへ行くにも、飛行機の半分以下の金額で乗車できます。また、空港へ行って面倒な手続きするよりもバスの方が手軽だし、行き先も本数も多いので予約せずにその場で乗れる可能性も高いのがポイント。また、長距離バスのルートは日本以上に発達しているので、バスのグレードによっては食事が付いたりほぼ水平になるリクライニングシートがあったりと、きめ細かなサービスで意外に快適。ちょっと移動するだけで、10時間以上の移動は当たり前になってしまいますが、車窓からの雄大な風景を見たり、他の乗客と仲良くなったりと、バスならではの楽しみ方もできます。

逆に、長距離バスのデメリットといえば、やはり膨大な時間がかかること。日本の7倍以上もの国土を持つアルゼンチンだけに、移動時間はきっちりと計算しましょう。飛行機なら1時間程度で行ける場所でも、バスだと10時間以上かかることも当たり前。そうなると、時間のない短期旅行ならバス移動は厳しいでしょう。

ブエノスアイレスのバスターミナルとチケットの購入方法

ブエノスアイレスでは、レティーロ駅の北側に大きなバスターミナル「La Terminal de Omnibus de Retiro(ラ・テルミナル・デ・オムニバスデ・レティーロ)」があります。構内には、チケット売り場や乗り場だけでなく、カフェや売店、銀行など様々な施設も揃っています。ここに行けば、アルゼンチン国内はもちろん、近隣諸国へ行く国際バスにも乗ることができます。とにかく広いので、早めに行って迷わないようにしましょう。

チケットの買い方は簡単です。ターミナルの3階にバス会社のオフィスが並んでいるので、目的地の表示が出ているバス会社を探します。北部やパタゴニアなど、エリアごとに分かれているのですぐにわかるでしょう。もしわからなければ、案内所があるのでそこで尋ねてみましょう。時間や値段に見合った会社を見つけたら、行き先、日時、等級(別項参照)などを伝えてその場でチケットを購入します。英語の通じる窓口もありますが、人によってはスペイン語オンリーという場合もありますので、メモを見せるなどしたほうがトラブルは少ないかもしれません。チケット購入後は、乗り場の確認もしておきましょう。

長距離バスの等級に関して

ひとくちにバスといっても、様々なランクがあります。いずれのバスも、基本的にはテレビやトイレは付いていますし、ドリンクサービスも一般的。ただし、会社によって値段やサービスも微妙に違うので、あとは運次第ということでそれも楽しみのひとつです。なお、夏の間はどのバスも冷房が効きすぎて寒いことがよくあります。毛布を貸してくれるバス会社もありますが、なるべく上着やブランケットなどは事前に用意しておきましょう。

■カマ・スイート
長距離バスのファーストクラスといってもいいでしょう。シートが180度水平になるのはもちろん、カーテンでプライベートスペースが確保されたり、食事にワインやステーキが出てくるのも当たり前。お値段は多少は高くなりますが、それでも飛行機移動よりはリーズナブル。ストレスの少ない長距離移動をしたい方にはぴったりです。

■カマ・エヘクティーバ
座席がほぼ180度水平になるタイプのものです。距離が長い場合は、よほど旅慣れた人以外は、なるべくこのタイプ以上のクラスを選ぶことをおすすめします。食事もしっかりしたものが出てくることが多く、想像以上に快適なバス旅行が楽しめるはず。

■セミ・カマ
飛行機と同じくらい、リクライニングされるシートのことです。比較的旅慣れた人ならこのクラスでも十分です。日本の長距離バスもほとんどがこのタイプということからも、アルゼンチンのバスのクオリティがいかに高いかよくわかるでしょう。

■コムン

いわゆる普通のバスです。長距離ではほとんどありませんが、2、3時間程度のローカルバスなら、エアコンすらないようなものも珍しくありません。

アルゼンチンの国内バス路線

バスターミナルに行けば、どこへでも行けるバス。では実際に、どの程度の時間がかかるのでしょうか。ここでは、ブエノスアイレスを起点に各地への時間と金額を明記しておきます。
  • ブエノスアイレス~マル・デル・プラタ 約5時間半 100~125ペソ(2000~2500円)
  • ブエノスアイレス~プエルト・イグアス 18~23時間 330~380ペソ(6600~7600円)
  • ブエノスアイレス~サルタ 19~21時間 350~420ペソ(7000~8400円)
  • ブエノスアイレス~フフイ 20~24時間 370~440ペソ(7400~8800円)
  • ブエノスアイレス~コルドバ 9~13時間 120~150ペソ(2400~3000円)
  • ブエノスアイレス~メンドーサ 13~17時間 250~370ペソ(5000~7400円)
  • ブエノスアイレス~トレレウ 18~21時間 280~400ペソ(5600~8000円)
  • ブエノスアイレス~バリローチェ 20~24時間 410~480ペソ(8200~9600円)
  • ブエノスアイレス~リオ・ガジェゴス 36~40時間 430~580ペソ(8600~11600円)
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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