アレルギーの遺伝率
アレルギーが子どもに遺伝する確率は、両親ともにアレルギーだと約50%、一方がアレルギーだと約30%と言われています。両親にアレルギーがなく子供にアレルギーが出る確率は約10%ですので、かなり遺伝率が高いということになります。別の報告では、アレルギーの代表格でもあるアトピーになるリスクとして、以下のような結果が示されています。
アトピーの家族歴 | %リスク |
両親共にあり | 50~75% |
片親のみあり | 25~30% |
両親共になし | |
第1子にあり | 20~25% |
兄弟になし | 10~15% |
Falth-Magnusson からの報告 (1987) |
つまり、家族にアレルギーがあると、アレルギーになる可能性が高いということです。
とはいえ、100%遺伝するわけではありません。それは、アレルギーを起こす遺伝子が一つではないからです。
(参考「アトピーは遺伝するの?」)
アトピー素因って何?
アトピーやアレルギーは遺伝しますが、必ず遺伝するわけではありません |
アトピーになりやすい人は、他のアレルギーの病気、気管支喘息、アレルギー性鼻炎(花粉症)を以前、なったことがあるか、または血のつながった家族、親戚の中で、アレルギーの病気があれば、アトピーになりやすいと考えられています。それをアトピー素因といいます。血液検査で、IgEという免疫グロブリン(蛋白質)が高いと、アトピー素因の可能性があります。
(参考「アトピーの原因」)
アレルギーは必ずしも遺伝するわけではありません。アレルギーの原因には環境の要素も大きいのです。
例えば、出生後に大量のスギ花粉に暴露されると、スギ花粉に対するIgEが増えるといわれています。つまり、花粉量の多い年度に生まれた子供は花粉症になりやすいのです。
喘息では、ダニの量に応じて、体がダニに反応しやすい状態になったり(感作(かんさ)と呼んでいます)、喘息発作が出てくることが言われています。
このように、アレルギーには、遺伝と環境ともに関わっているのです。
アレルギーの基礎知識