蛋白同化ステロイドの乱用は心にも悪影響が出ます (この写真はステロイド錠剤ではありません)
スポーツ選手による蛋白同化ステロイド(筋肉増強剤)の使用は、競技の公正さを損なう大きな問題であり、ドーピングでオリンピックのメダルを剥奪されるというニュースは特に珍しい事でもないですが、蛋白同化ステロイドの使用は米国ではプロのみならず高校生にまで蔓延していて大きな社会問題となっています。今回は蛋白同化ステロイドの副作用が心身共に幅広く現れ、その使用者の健康にいかに大きな危険となるかをお話したいと思います。
どうして蛋白同化ステロイドを使うの?
蛋白同化ステロイドを使用すると短期間に筋肉が増強され、スピードとパワーはアップし、競技能力が向上します。名誉と大金の絡んでいるプロスポーツの世界では他の選手に差をつけるために蛋白同化ステロイドの誘惑に負けてしまう選手が後を絶ちません。どうして蛋白同化ステロイドを使用すると筋肉モリモリになるの?
蛋白同化ステロイドはその構造が男性ホルモンのテストステロンに類似しています。男性ホルモンの作用には筋肉をつける働きがあり、この作用により、一般に男性は女性より筋骨たくましくなります。蛋白同化ステロイドの使用で筋肉が増強するのはこの男性ホルモン様の作用によります。どうして蛋白同化ステロイドは禁止されているの?
蛋白同化ステロイドの使用はスポーツ競技の公正さを損なうのみならず、使用するスポーツ選手の身体面、精神面に悪い影響が出るためです。極端な言葉で言うと、心身共にボロボロになってしまいます。男性にも女性にも現れる蛋白同化ストロイドの副作用には以下のものがあります。
- 高血圧
- 肝障害
- 顔と背中に現れる重いにきび
- 発ガン性
- 血栓の形成、梗塞の発生のリスクが高まる
- じん帯を痛めやすい
- 精巣萎縮
- 性的不能
- 女性化乳房
- 前立腺の肥大
- 体毛が濃くなる
- バストのサイズが小さくなる
- 声が深くなる
- 無月経
蛋白同化ステロイド乱用による精神症状
蛋白同化ステロイド使用の為に現れやすい心の症状には以下のものがあります。- 気分は落ち込み、死にたくなる
- 妄想
- 攻撃的になる(ステロイド乱用により攻撃的になってしまい殺人事件が起きたこともあります)
- 気分の変動が激しい
- パラノイア(偏執的)になる(猜疑心が強まり他人を信用できなくなる)
- イライラしやすい