境界性パーソナリティー障害とは
境界性パーソナリティ障害は、感情面の極端な不安定さが特徴。若い女性に多い心の病気です
感情のコントロールを完璧にできる人はそういるものではありません。例えば、朝からトラブル続きで、午後にはイライラして落ち着かない気持ちになってしまったとしても、それは自然なことで特に問題視する必要はありません。
しかし、必要以上に頻繁に怒りを覚えたり、感情を爆発させてしまう場合は要注意。感情のコントロール自体に問題が生じている場合があります。もし日常生活に多大な問題が生じるほど感情が不安定になっている場合は、境界性パーソナリティ障害になっている可能性もあります。境界性パーソナリティ障害の特徴、原因、症状について詳しく解説します。
境界性パーソナリティ障害の特徴・原因
境界性パーソナリティ障害は若い女性に多く、人口の約2%に現われる心の病気です。境界性パーソナリティ障害の「境界」とは、同じく心の病気である「神経症」と「統合失調症」の境界にある症状であると考えられたことに由来します。実際、境界性パーソナリティ障害で見られやすい症状である「強いイライラ感」は神経症的な症状で、「現実認識の低下」は統合失調症的な症状です。現実認識の低下症状があったとしても、持続期間が短く統合失調症とは診断できない場合などに、境界性パーソナリティ障害と診断されることがあります。
境界性パーソナリティ障害の原因は、はっきり解明されていません。おおまかなレベルでは遺伝的要因に環境要因が組み合わさった結果、発症すると考えられています。はっきりした環境要因としては、小児期の虐待が多いことが知られています。
境界性パーソナリティ障害の症状
境界性パーソナリティ障害では、感情のコントロールに問題が生じるため、感情面が極端に不安定になるとともに、以下のような症状のいずれかがみられます。- 気分が物事に簡単に左右されてしまう
- 感情を爆発させやすい
- 慢性的な空虚感を感じる
- 一人きりになることに耐えられない
- 衝動的に飲酒、大食、買い物などをしやすい
- 自己イメージが混乱する
- 他者を良い・悪いの両極端で評価し、評価自体も簡単に反転してしまう
- 現実認識が低下する
- リストカットなどの自傷行為をする
- 自殺をほのめかす
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