ストレス/ストレスフリーの思考術

私の中のコンプレックス、どうしたらいい?(2ページ目)

誰の心にもあるコンプレックス。どのようにして生まれ、大きくなっていくのでしょう? また、コンプレックスにどう対処したらいいのでしょう?

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

コンプレックスを含め、まるごと「自分」

1
コンプレックスとは気長に付き合い、コントロールしていこう
コンプレックスは、心の中にある「しこり」のようなもの。どんなに消そうと思っても消えず、それがあることでどこか自分に自信がもてなくなってしまうものです。

そこで大切なのは、無理にコンプレックスをなくそうとしないことです。コンプレックスを含めていまの自分があるわけですから、それを否定することは自分を否定することになります。また、無理に忘れようとすることは自分と向き合うことを拒否することです。

まずは、コンプレックスを含めた「まるごとの自分」を受け入れること。そして、「自分はこういうことにコンプレックスを持ってしまうんだ」ということを自覚し、付き合っていけばいいのです。

たとえば、人前で自分をアピールしなければならないときなど、コンプレックスが邪魔をして萎縮してしまうこともあるでしょう。しかし、「自信がもてないのはコンプレックスのせいだ」ということを自覚していれば、「コンプレックスに打ち克つためにも、ここはひとつ勝負してみよう!」と理性的に考えることができます。こうしてひとつひとつ成功体験を積み重ねることができれば、コンプレックスはしだいに小さくなっていきます。


人は誰でも完璧じゃない

1
大切な人にコンプレックスを植え付けないこと
そして、最後に大切なことが2つあります。

ひとつは、コンプレックスを与える元になった人を恨まないことです。その人によかれと思って言った言葉が、思わぬコンプレックスを植え付けてしまうことはよくあるからです。たとえ親でも、人間は誰しも完璧ではないのです。

もうひとつは、自分の言動で人にコンプレックスを植え付けないように注意することです。あなたが親にされたように、その人によかれと思って大切な人に伝えた言葉や価値観が、コンプレックスの元となってしまうことがあります。子どもやパートナーに対しては、「そのままのあなたが好き」というメッセージを送りましょう。

そして、どんなに親しき仲でも「毒舌は百害あって一利なし」ということを、どうぞお忘れなく。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※当サイトにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。
免責事項

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます