パワハラって何?
では、パワハラとはいったいどんな言動なのでしょう。「パワーハラスメント」という言葉を初めて提唱した岡田康子さんは、著書『上司と部下の深いみぞ』(紀伊国屋書店)の中で次のように定義しています。
1. 職権などのパワーを背景にして
2. 本来の業務の範疇を超えて
3. 継続的に
4. 人格と尊厳を傷つける言動を行い
5. 就労者の働く環境を悪化させる、あるいは雇用不安を与えること
また、岡田さんは同書でパワハラを4つのタイプに分類しています。とても分かりやすい分類なので、被害を知るのに参考になります。
攻撃型
・他の社員たちの前で怒鳴る
・1人だけ呼び出して怒鳴る
・机や壁などを叩いて脅す
・ねちねちと嫌味を言う
・肉体的暴力を振るう など
否定型
・仕事をすべて否定する
・人格を否定する
・能力を低く評価する
・病人扱いをする など
強要型
・自分のやり方を無理やり押し付ける
・責任をなすりつける
・サービス残業を強要する など
妨害型
・仕事を与えない
・必要なものや情報を与えない
・辞めさせると脅す
・休ませない など
一口にパワハラといっても、直接的な暴力や暴言で傷つけるものから、無視したり、仕事を与えないことで精神的な苦痛に追い込むものまで、さまざまな種類があります。一見パワハラには思えなくても、仕事の人間関係の中で、理不尽な苦痛に追い込まれているときには、パワハラの可能性を疑ってみるといいでしょう。