ストレス/人間関係・人付き合いのストレス

会話上達の秘訣は「オープンクエスチョン」(2ページ目)

人間関係の発展に欠かせない会話。なかでも上手な「質問」が、信頼関係を築くために必要です。その鍵を握る効果的な「オープン・クエスチョン」のテクニックをお伝えします。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

「言葉にできない感じ」をじっくり聞く

言葉に詰まったときこそ、会話をそらさないでじっくり聞こう
言葉に詰まったときこそ、会話をそらさないでじっくり聞こう
さらに、人間関係を深めるための会話のコツを、もう一つお伝えしましょう。それは、相手の「言葉にならない感じ方」に焦点を当てることです。

相手が口ごもったときや、うまく表現できずにモジモジし始めたときこそ、遮ったり中断したりせずに、じっくり「気持ち」に触れる聞き方をしましょう。たとえば、次のような例です。

「そのときどう思ったの?」
「なんていうか……。うまく説明できないんですよね」
「言葉にできないような気持ち……?」
「ええ。モヤモヤするっていうか」
「モヤモヤする感じ……?」
「そうなんです。いつも気になっちゃって落ち着かないんです……」
「気になっちゃうんだ……」

このように口ごもってうまく説明できない気持ちこそ、集中して聞いていくのがコツです。

この会話で出てくる「モヤモヤ」のようなうまく言葉にできない感じ方こそ、実際に口に出させてみることが大事なのです。それによって、気持ちの奥に潜んでいる問題が浮上しやすくなるからです。


解決方法も「質問」によって相手に探させる

「こうしてみよう!」と相手が自分自身で解決に近づければベスト
「こうしてみよう!」と相手が自分自身で解決に近づければベスト
「言葉にできない感じ方」を話すだけで堂々巡りになってきたときら、さらに「どうしたらスッキリできるのか」に会話の焦点を移していきましょう。

このときも、
「こうしたらいいんじゃない?」
「こうすればスッキリするんじゃない?」
というように、「クローズド・クエスチョン」で答えを誘導しないこと。

「どうすれば、スッキリできると思う?」
「今まで同じような気持ちのとき、どうしたら落ち着いた?」
とオープン・クエスチョンを投げかけてみましょう。

すると、相手は「こうやってみようかな」「こうすれば楽になれるかも」と漠然とした考えをはっきり言葉で明確にすることができ、具体的な解決に近づくことができます。

この会話のテクニックは、職場から恋愛、友人関係まで、あらゆる人間関係に役立てられます。ぜひ試してみて、大切な人間関係を発展させてみてくださいね。
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