人生は「プランド・ハプンスタンス」に満ちている!
続けてきたことには偶然の出会いがあり、自分を見かす道へとつながる
私自身、新卒入社時には「これがやりたい」という強い意志はなく、とりあえず入社した会社が健康関連の出版物を作っていたために、その分野の編集者の道へと進んできました。さらに、私自身が会社員生活で非常にたくさんのストレスを抱えていたことが、「ストレス」の分野への関心へとつながり、健康とストレスの分野のライターとして独立し、カウンセラーとして仕事をするようにもなりました。
このように、「とりあえずやってみよう」という気持ちで行動し続けていくと、そのプロセスでたまたま出会った出来事の中に、「これは」と思えるものが見つかるものです。この「プランド・ハプンスタンス」(計画された偶発性)こそが、いずれ「こう生きたい」という方向性を見つけるためのきっかけになるのです。
『赤毛のアン』からプランド・ハプンスタンスを学ぶ
「曲がり角」を曲がると、思わぬ出会いが待っている
まずは「好奇心」。専門以外の領域にも関心を持って、学ぼうとすることです。2つ目は「持続性」。中途半端に放り出さず、コツコツ続けていくことです。3つ目は「楽観性」。落胆する出来事も別の偶然に出会えるチャンスでもある、というように楽観的に受け止めることです。4つ目は「柔軟性」。自分はこれしかやらないと決めつけずに、柔軟にいろいろなことに取り組んでみる姿勢です。最後には「リスク・テイキング」。結果が分からなくても、失敗を恐れず思い切ってやってみる、ということです。
小説『赤毛のアン』のクライマックスに、「曲がり角」という章があるのを思い出します。エリートコースが約束されていた優等生のアンは、養父マシュウの突然の死とともに、大学をあきらめて就職を余儀なくされます。そのときアンは、まっすぐに見えていた自分の道が「曲がり角」に差し掛かったと表現し、その先に広がっているであろう未知の世界を希望とともに受け止めます。このアンの感じ方にこそ、プランド・ハプンスタンスを生かす知恵が満ちています。
飛び込んでみた道、選ばざるを得なかった道には、「これじゃないかも」「あっちだったらよかったのかも」という迷いが生じるのも当然です。しかし、あせらずにその道を少し粘り強く続けてみることです。すると、そのプロセスで偶然知る出来事の中に「これは」と思える宝物との出会いがあるでしょう。それを深く掘り下げていくことで、蓄積した知識や経験を生かしていく道が広がっていくのだと思います。