ストレス/恋愛・結婚生活・離婚問題のストレス

キライでも、なぜか気になる人がいるわけ(2ページ目)

どうして、いつもイライラしてしまうのに無視できない人がいるのでしょう? 実は、その人との出会いをきっかけに、自分の意外な一面を知ることができるのです。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

キライな相手との出会いは「シャドー」に気づくチャンス!

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苦手なあの人が、無意識の中に潜む自分を教えてくれる
シャドーは誰の心にも潜むもので、消し去ることはできません。自覚している自分像だけでなく、シャドーも含めてすべてが自分だからです。したがって、それを否定するのではなくまるごと受け止める必要があります。

「この人、なんかイライラする」と思う相手に会えたということは、自分のなかのシャドーを自覚できるチャンスでもあります。なにしろ、シャドーは無意識の中にあるために、自分では気づきにくいものなのです。

キライな相手に会ったときには、その人のどこが自分をイライラさせるのかをよく観察しましょう。その部分が特定できたら、「自分にもそんな一面があって、それを否定したいから拒否反応が起こってるんだな」と、感じることが大事です。


いろいろな人と付き合うのが大切なわけ

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シャドーは否定するものではなく、コントロールするもの
そして、自分のシャドーを受け止めたら、意識の上でコントロールしていくように心がけるといいのです。いつもは気が付かなくても、心が不安定になったりすると、シャドーがひょっこり意識の上に顔を見せることがあるからです。

たとえば、いつもは優しい人がふさぎこんだときに、思わぬ残酷な言葉が出てしまったり。明るくリーダーシップをとっている人が、ちょっとした挫折をきっかけにオドオドしてしまったり。しかし上でも述べたように、シャドーは誰にでもあるものなのですから、自覚しても憂えることはないのです。

ただ、心が不安定なときにシャドーに急に気が付くと、「私ってこんな卑怯な人間だったんだ」「本当の自分ってイヤな奴なんだな」などと、自信を失いかねない危険性があります。

そんなとき、「キライな人」「イライラさせる人」との付き合いの中で、自分のシャドーにあらかじめ気付けていたら、シャドーが出すぎて自己嫌悪に陥らないようにセーブすることもできますし、人を傷つけることもなくなります。

そういう意味でも、キライな人を含めていろいろな人と付き合うのはとても大切なことです。みなさんも、さまざまな出会いの中から、自分と向き合うためのヒントを見つけてみませんか?
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