ストレス/ストレスフリーの思考術

「受け流すべきストレス」に悩んではダメ!(2ページ目)

生きている以上、ストレスから逃れられないもの。だからこそ、「受け流すべきストレス」と「相対すべきストレス」を選別することが肝心。そのコツについてお伝えします。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

受け流すべきストレスとは?

受け流すべきストレスに、熱く一生懸命になりすぎていませんか?
受け流すべきストレスにイライラ、悶々としすぎていませんか?
このストレスで頭をいっぱいにして、イライラしたり深く考え過ぎたりしても、あまりプラスにはなりません。

「なるようになるさ」と受け流したり、意識的にそれ以上考えないようにしましょう。別のことに意識を向けて気分転換をしているうちに、良いアイデアがポッと浮かぶこともあります。たとえば、以下のようなストレスです。


● 重要でない人間関係の問題
自分にとっての「重要な他者」(一般的には家族やパートナーなど)以外との間で起こった人間関係上の問題に、悩みすぎないことです。

たとえば、仲の良かった友人との関係がしっくりいかなくなっても、深く考えすぎずに成り行きにまかせてしまいましょう。職場の仲間とは、感情的なトラブルで人間関係が悪くならないよう、つかず離れずの“気持ちの良い付き合い”を日頃から心がけていくといいでしょう。


● 根拠のない「取り越し苦労」
不安は多かれ少なかれ、誰もが感じるものです。しかし、それを延々とほじくり返さないよう、心の中でブレーキをかけましょう。

いったん不安を抱えると、たとえば「解雇されたらどうしよう」→「ローンが払えなくなったらどうしよう」→「将来年金がもらえなくなったらどうしよう」というように、生活のあらゆることに不安を感じるようになります。こうした悩みを「取り越し苦労」とも言います。

不安を感じたときには、「では具体的にどうすればいいの?」と対策を考え、まずは動いてみることです。それができない場合には、あれこれ考えすぎても有益ではありません。誰かと話をしたり、運動、旅行、グルメなどで、適度にストレスを解消して「考えない時間」を意識的に作ることです。


● あまり重要でない仕事上のストレス
ノウハウを習得するまでは、がむしゃらに働く時期があってもよいと思いますが、ある程度習得できあたら労力のかけ方にメリハリをつけて働くべきです。

往々にして、仕事は「頑張り屋」に集中してしまうものです。したがって、来る仕事を何でも引き受け、全力投球でこなしていると、気が付けば自分だけが長時間残業していたりします。この「頑張りすぎ」こそが、心の病を招く危険な温床になりやすいのです。

仕事が次々に舞い込んできたり、周囲からの期待が増えてきたときこそ、意識してクールに判断しましょう。エネルギーをかけるべきとそうでない仕事を見極め、「これは期日を延ばしてほしい」「もう一人サポートを付けてほしい」というように、冷静に条件や希望を伝えていくのも大切なストレスケアの一つです。


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