運動と健康/水分補給法・筋肉痛・トラブル予防

筋肉痛を克服!予防と対処法教えます

運動するとどうしても起こる筋肉痛。腕や背中だけではなく全身に筋肉痛が起こると、運動そのものが億劫になりませんか? 筋肉痛の原因やメカニズムを知り、すぐに実践出来る筋肉痛予防、対処法を教えます。

西村 典子

執筆者:西村 典子

アスレティックトレーナー / 運動と健康ガイド

秋といえば「スポーツの秋」。仲間とさまざまな運動を楽しんだり、山登りやハイキングなどで自然を満喫したり、体を動かすことが心地よい季節です。でも慣れない運動で、ひどい筋肉痛になるのは辛いもの。運動にはつきものの筋肉痛のメカニズムを知り、筋肉痛の予防と、筋肉痛になった場合に行う対処法を実践しましょう。

筋肉痛の原因とメカニズム

以前は体内にたまった乳酸が筋肉痛の原因と考えられていましたが、乳酸はエネルギー源として体内で再利用できるため、現在では乳酸だけが筋肉痛の原因であるとは考えにくいと言われています。

運動を行うと筋肉にはいつも以上に大きな負荷がかかります。曲げ伸ばしを繰り返すことで、筋肉を構成する筋線維やその周辺の組織に細かなキズができるのです。できたキズを修復する過程でカリウム、ヒスタミン、プロスタグランジンなどのさまざまな化学物質が関与し、これらが神経を刺激したり、炎症を引き起こしたりするため痛みを感じると言われています。

力に抵抗する運動はより強い筋肉痛を起こす

力に抵抗する運動はより強い筋肉痛を起こす

また運動の動作によっても、筋肉痛になりやすいもの、なりにくいものがあります。腕を曲げて重いものを引き寄せる動作(コンセントリック収縮)と、腕を伸ばしながら負荷に対抗する動作(エキセントリック収縮)では、腕を伸ばしながら対抗する動作のほうがより筋肉痛になりやすいのです。たとえば綱引きでいえば、引き寄せる側よりも引っ張られまいと踏ん張って腕を伸ばしている側の人たちのほうが、筋肉痛が起きやすいということです。

運動前には入念に準備を行おう

普段から運動をしている人でも、筋肉に大きな負荷をかけると筋肉痛が起こります。運動習慣のない人がいきなり激しい運動を行うと、筋肉痛ばかりか筋肉の腱や靭帯などいろんな部位を痛めるリスクが高くなります。ケガを未然に防ぐという観点からも、運動前の準備はしっかり行うようにしましょう。

運動前にはウォーキングや軽めのジョギングで体を温め、筋肉の柔軟性をよくするためにストレッチを行います(ウォーミングアップ)。体の中から温まるような感じがすれば準備OKです。天候や気温などによってウォーミングアップにかける時間は変わりますが、体を動かして汗ばむ程度を目安に10分~20分行いましょう。より詳しい内容は、「準備運動・基本のダイナミックストレッチ」をご覧ください。

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