感染症/感染症のしくみ・感染経路・予防法・治療法

冬はこんなところで病気を招く!(3ページ目)

冬は乾燥した空気の影響、暖をとるためのストーブや石油ヒーターが原因による火事が起きる季節です。人体にとっても同じように重大な病気を招きやすい季節ですが、特に注意が必要な場所についてご説明します。

執筆者:吉國 友和

暖房器具が思わぬ事故を……

暖房器具
火を使う暖房器具、必ず換気をしてください
冬は乾燥した空気の影響だけでなく、暖をとるために石油ヒーターやストーブなどを使用するため火災が起きやすい季節でもあります。心地よく温まってウトウトしているところで火災に遭う、という可能性もないわけではありません。

また、火災に限らず不完全燃焼によって生じる一酸化炭素は、血液中の酸素の運搬能力を奪ってしまい死に至ることもあります。どんなに安全だと思っていても、火を使う暖房器具については定期的に換気をする必要があります。自覚症状が現れないこともあるため、気がつかないうちに一酸化炭素中毒に陥って意識不明、目を覚ましたのは病院のベッドの上、という事態は絶対に避けなければなりません。


(※)一酸化炭素中毒……めまいや頭痛・吐き気などの症状があることも。重篤な中毒症状では意識障害だけでなく呼吸障害が出現するが、チアノーゼのように顔色が紫色にはならず、一酸化炭素と結びついたヘモグロビンによって顔色はむしろ良好(ピンク色)に見える。雪山でのテント内の固形燃料の不完全燃焼、近年ではガス器具の事故や練炭による自殺などでも知られる。


人混みを避けること

浴室・トイレ・暖房器具と、寒冷環境に関連する家庭内での病気をおこしやすい箇所についてご説明しましたが、冬はインフルエンザ・風邪の季節でもあります。当然のことながら、感染のリスクの高い人混みは避けるほうが無難です。風邪をひいていない人こそ、マスクで予防するべきなのかもしれません。

特に今期のインフルエンザはすでに流行の兆しを見せていることから、これまでにインフルエンザにはかかったことがないからと安心してしまうと、今年は……ということも十分考えられます。抗インフルエンザ薬に耐性となったウイルスも出現していますので、かかってから治療をすることよりも、まずは可能な予防策を始めるのが一番です。


今回は「冬に危険な場所」として、主に家庭の中で事故の起きやすい浴室とトイレを例にしました。特に入浴に関してはお風呂場で溺れて救急搬送されるケースも後をたちませんから、入浴前に家族の誰かに一声かける習慣を身につけてください。
「今からお風呂に入るよ!」
この一声があなたの命を救うこともあるのです。

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