先日、CBCラジオ(TBS系列局1053kHz)のラジオ番組「小堀勝啓の心にブギウギ!」で低体温について電話取材をお受けしたのですが、50代からの健康にとって体温の変調はかかせないテーマであることを痛感し、記事としてもまとめようと思いました。視聴された方もいらっしゃるかと思いますが、補足事項もありますのでどうぞご一読ください。


人間の体温、平熱とはどのぐらい?

体温が低い?
体温は日中にも変化しますが、最高体温と最低体温の差は約1℃以内とされています
一般的に体温測定というと、わきの下、口の中がイメージしやすいと思いますが、正確な意味での体温とは深部体温によって表されます。深部体温とは、体の表面の温度が外気温によって若干変動するのに対して、脳や内臓などの温度は一定に保たれており、こうした体の深部の温度を指します。脳の温度を直接測ることはできませんが、もっとも簡単に深部体温を測ることのできる場所は、おしりに体温計を入れて測る直腸温です。

では、人間の正常の体温がどのぐらいかという話になりますが、例えば事件性の疑われるような異常死の検案では、前述のように直腸内の温度を測定して季節・外気温などとの兼ね合いで推定死亡時間を割り出す参考とします。この場合も含めて、人間の一般的な深部体温は37.0℃を基準としています。

最近では深部体温に近い鼓膜表面の温度を測る方法も時々用いられますが、一般的に体温を測るには、わきの下などで測定することがほとんどです。デジタルの体温計でピピッとすぐに体温を調べることができますが、こうした体表面の体温はやや低めに出ることが多いようです。具体的には、わきの下では直腸温よりも0.6~1℃、口腔内では0.2~0.5℃低くなりますので、おおまかに0.2~0.6℃ぐらい足した数値が深部体温に近くなります(厳格な管理のもと、水銀体温計によってわきの下の体温を測定した場合の日本人の平均体温は36.89℃という報告もあるようです)。


低体温と冷え症の違いは?

ラジオでは「低体温と冷え症とはどう違うの?」というご質問がありました。一般的に、冷え症とは「体温に関わらず、手足などが部分的に冷たくなることを不快に感じること(自覚症状のあること)」を指しますが、低体温(症)とは「体全体の体温が低下すること」を指す医学用語です。

記載されている医学書によって、摂氏に換算して約35℃未満と捉えられていることもあるのですが、深部体温で測定した場合の低体温とは約36℃未満を指します。前述のように、わきの下で測定する体温は前述のように見かけ上は低くなりますので、これを考慮すると「一般的な体温計で測定したとき、35.4℃未満であれば低体温」の可能性があると考えてよいのではないでしょうか。


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