感染症/感染症のしくみ・感染経路・予防法・治療法

冬はこんなところで病気を招く!(2ページ目)

冬は乾燥した空気の影響、暖をとるためのストーブや石油ヒーターが原因による火事が起きる季節です。人体にとっても同じように重大な病気を招きやすい季節ですが、特に注意が必要な場所についてご説明します。

執筆者:吉國 友和

夜中から朝にかけてのトイレ

階段
階段を踏み外して骨折につながることも
おしっこをしたときに体がブルブルッと震えるのは、排尿によって奪われた体温を補おうとする人体の防御反応です。ところが夜中、睡眠中の人間の体温は日中に比べてすでに低下しています。寒い夜に目が覚めて、暖かい布団から出てトイレまで歩いていくうちに体は急激に冷やされ、しかも尿と一緒に体温まで奪われてしまうことも考えられます。急激な体温の変化によって自律神経のメカニズムに狂いが生じ、重大な事故を招いてしまうことも考えられます。

夜中にトイレに起きるというのは男女ともに起こりうることですが、男性の場合には程度の差こそあれ、加齢に伴って必ずといってよいほど前立腺肥大症になりますのでトイレが近くなることを完全に避けることはできません。前立腺肥大症を放置しておくと夜中にトイレに起きる回数も増え、しかも健康にとって大切な睡眠を損ねてしまいます。かといって、尿を少しでも減らそうと水分を必要以上に制限することは、脳梗塞の予防の意味では適切ではありません。トイレの回数が多いと感じる人は、寒くならないうちから適切な治療を受けることが大切です。

なお、女性は前立腺肥大症とは無縁ですが、あまりにトイレが近いと感じる場合には、膀胱の中に尿がたまったという刺激に敏感になりすぎたという「過活動膀胱(かかつどうぼうこう)」という病気が潜んでいることがあります。日中・夜間を問わずに尿の回数が多いと感じ、例えば1時間程度のドラマを見ていてコマーシャル中にトイレに行ったにも関わらず「ドラマのクライマックスを見る余裕もないぐらい」強い尿意を感じることがあれば、この病気が疑われますので医療機関で相談してください。(ちなみに、この表現はある製薬会社の営業さんから伺いました。ある患者さんは、ご老公・天下の副将軍で有名な勧善懲悪の時代劇、印籠を出すシーンをいつも尿意のために見逃してしまっていたとか。)


トイレの注意事項その2……便秘

トイレ
冷たい便座にいきなり座ってドキッとしたことはありませんか?
便秘がちという人は、排便時に力んでしまうことで血圧の上昇を招くことがあります。更に、その直後に便座から急に立ち上がってしまうと、脳の血流が低下するために思わず立ちくらみを起こしてしまうことや、最悪の場合には脳血管が裂けて脳出血に至る危険性も考えられます。

市販の便秘薬を使っている場合には、お腹を刺激して力が入ってしまうようなタイプは避け、便そのものを軟らかくするようなタイプを基本として使うようにしましょう(後述のリンクを参考にしてください)。


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