多くの人がかかる病気でも、アトピー患者の場合、アトピーでない人にはない症状まで出ることがあります。「アトピーと病気」シリーズでは、他の病気によって起こるアトピー特有の症状と、その対処法を紹介していきます。今回は第一弾として、インフルエンザの時の注意点をご説明しましょう。

そもそもインフルエンザとは?

高熱が出ますので全身倦怠感が出てきます
インフルエンザウイルスが、気道上皮に感染し、増殖することで発症します。現在、人に感染するのはA型とB型です。最近話題になったトリ由来の新型インフルエンザは、「H5N1型」といわれ、ウイルスの表面の突起の形が、A型やB型とは異なっています。今までの免疫で、ウイルスに対抗することができないのはこのためです。

■インフルエンザの主な症状
  • 発熱
  • 咳・鼻水

  • 関節痛
  • 全身倦怠感

  • など

■インフルエンザの合併症
  • 肺炎
  • 脳炎・脳症

  • 肺水腫(はいすいしゅ:肺に水が溜まる。新型インフルエンザで問題になります)
  • 多臓器不全(肝臓や腎臓が機能しなくなる。新型インフルエンザで問題になります)

  • など

■インフルエンザウイルスの好む環境
一言で言うと、「低温乾燥」です。冬になると流行するのは、このためです。


アトピーでインフルエンザにかかった時は?

一般的なインフルエンザの症状は上記の通りですが、アトピー患者特有の症状があるのは困ったところ。かゆみや肌荒れなどが引き起こされる原因にもなります。症状の原因を正しく知り、効果的な対策を取る必要があります。
  • 発熱のため、かゆみが増す→頭などを冷やす
  • 体力消耗で入浴できず、アトピーの湿疹がひどくなる→体を拭いてできるだけ清潔に
  • 食欲低下でビタミン不足で肌荒れ→ビタミン剤などで補給する
  • 発汗のため、アトピーの湿疹がひどくなる→汗をタオルで拭く

  • など

正しい予防と治療で、快適な冬を!

手洗い・うがいをしましょう
何より大切なのは、インフルエンザの予防と、感染してしまった場合の早めの治療です。アトピーの有無に限らないことですが、前もって確認して、本格的な流行の季節に備えましょう。

■基本的な予防法
  • 手洗い・うがいをする
  • 人ごみを避ける
  • 室内なら加湿する→ただし、結露やカビに注意(梅雨に向けてのカビ対策を参照してください)
  • 普段から体調管理→ストレスや過労はアトピーにもよくありません(アトピーの原因を参照してください)
  • 予防接種を受ける→大人は1回で十分ですが、子どもは2回が望ましい

  • など

■早めが肝心の治療法
  • 抗インフルエンザ薬(タミフル・リレンザ・シンメトリル)→ウイルスの増殖を抑える薬です。発症から48時間以内に服用するのが望ましい。シンメトリルはA型インフルエンザにのみ効果があります。新型インフルエンザには、タミフルとリレンザが効果があると言われています。

  • 鎮痛・解熱剤(アセトアミノフェンが中心)→基本的に熱を下げたり、関節痛を抑えたりしているだけになります。子どもの場合、ピリン系解熱剤は、脳症の原因になりうるので控えましょう。

  • 鎮咳薬・去痰薬→インフルエンザに伴う咳や鼻水を抑える薬です

  • など

基本的には予防に努め、かかった場合は早めに医療機関を受診してください。新型インフルエンザ対策として、タミフルの確保と予防接種の開発が進行中です。


豆知識
インフルエンザ:オルソミクソウイルス科のRNAウイルスです。A型、B型、C型に分類。A型はさらに、ウイルスの表面の赤血球凝集素(HA)とノイラミニダーゼ(NA)の糖蛋白の違いによりさらに分類。ヒトでは、インフルエンザA型/ソ連型、A型/香港型とB型が、病気を起こします。去年はB型が非常に流行しました。



<参考リンク先>
インフルエンザの知識と対処法(All About 子供の健康)
治療薬耐性の鳥インフルエンザウイルスが検出(All About 子供の健康)
インフルエンザについて(All About 薬について)
インフルエンザ情報サービス
インフルエンザ(感染症情報センター)
インフルエンザ総合対策
インフルエンザ(東京都感染症情報センター)
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