犬や猫が原因でアトピーは悪化する? ペット飼育の可否
ペットを飼うには、自分のアトピーが何が原因か判断して飼うことがとても大切です
Q. ペットが原因でアトピーになることはある?
→A. ○。あります。アトピーの原因でも説明していますが、アトピーの原因として「ペットの毛」や「フケ」があります。例えば、犬や猫にアレルギーがあると、犬や猫がそばにいるだけで、くしゃみ・鼻水・かゆみが出たり、湿疹が出ます。
Q. アトピーの症状が出ていてもペットは飼える?
→A. △。どちらとも言えません。種によります。現場で一番聞かれるのですが、もっとも難しい質問です。アトピーがあって、これからペットを飼おうとしている場合は飼わないほうがいいでしょう。というのも、アトピーの原因になりうるからです。また、ペットを飼ってもアトピーの症状は悪化しない場合もあります。つまり、飼ってみないと判らないのです。
しかし飼った後で、アトピーの原因になったから手放すというのはペットにとっても、そして飼う人にとっても不幸。アトピーの症状があって、ペットを飼うのであれば相当の覚悟と責任を持つことが必要です。
とはいえ、アトピーの原因になるかどうかはペットの種類にもよります。
■毛のあるペット、犬・猫・ハムスターなどは避ける
毛のあるペット(犬、猫、ウサギ、ニワトリなど)は、ペットの毛やフケそのものが原因になります。毛のある動物には、ダニ、ハウスダストが付着・寄生しています。ダニやハウスダストがアトピーの原因になるので(アトピーの原因をご参照ください)、飼うのは避けましょう。
■毛のないペット、カメ・熱帯魚などは大丈夫
毛のないペットは、そもそもアレルギーの原因となることが少ないのであまり心配ありません。
Q. ペットを飼っている人は、ペットを遠ざけないといけないの?
→A. アトピーの原因なら○。離れた生活をしましょう。これもよく質問されます。家族の一員であるペットですから、なおさら深刻。まず、アトピーの原因(アトピーの原因をご参照ください)になっているかどうか、きちんとした診断が必要です。血液検査・皮膚検査などで、きちんと診断を受けましょう(アトピーの検査をご参照ください)。
次に検査が陽性でも原因になるかどうかを判断するのが大切で、ペットから一度離れてみて、よくなるかどうか。これをきちんと確認しましょう。ペットから離れてアトピーがよくなれば、ペットがアトピーの原因になっていることが十分考えられます。ペットと離れても変わらない場合は仮に検査が陽性でも原因とは言えないと判断されます。
米国では複数のペットと暮らすほうがアトピーがよくなったり、アトピーを予防するという報告もあります。ただ、その報告をそのまま日本で当てはまるかどうかですが、米国と日本とは住環境や文化も異なりますので、自分のアトピーの症状を見ながら判断したほうが良いでしょう。ペットがアレルギーの原因なら食事同様控えるべきでしょう。ペットは家族の一員であることが多いので、アトピーの原因かどうか慎重に判断しましょう。
犬・猫がアトピーの原因である場合の対策
まずは、どの程度でアトピーが悪化するのかを知る必要があります。短時間接しただけで皮膚の痒みがひどくなって、赤くなる場合は、避けたほうが望ましいですし、短時間なら大丈夫であれば以下の方法はどうでしょうか?イヌが、室外か室内かで対策が異なります
- 室外犬の場合(猫は室外は少ないので、ここでは省きます)
→イヌと直接接触が避けられます。また、野外はイヌのフケや毛が雨や風で一箇所に留まることがないので、アレルギーの原因物質(アレルゲン、この場合はイヌのフケ等)が周りに少なくなります。ただし、アトピーの症状がひどいときは要注意!少なくても過敏に反応します。イヌのフケや毛が家に入らないようにしましょう。
- 室内犬・猫の場合
→犬・猫と家屋という閉鎖空間で過ごすことになります。従って、犬・猫のフケや毛、そして、ダニなどが多く存在します。できるだけ、除去する必要あり。家の掃除をきちんとしましょう。毎日掃除はしておいたほうがよいでそう。なるべく毛が散乱しないように、ペットのトリミングも必要になるかもしれません。室内犬や猫とは別の部屋で過ごすことも1つの方法です。
以上のように、きちんとした対策をとる必要があります。それでも、ペットが原因でアトピーが良くならない場合は、第三者に引き取ってもらう選択肢も考えないといけないと思います。もちろん、ペットは生き物ですから、「いらない」「アトピーの原因になったから」といって、簡単に捨てるのは無責任。厳禁。動物愛護法で罰せられる可能性があります。
アトピーの場合は、本当によく考えて飼うようにしましょう。