過度の空想癖は心の成熟を阻害してしまう
空想に没頭している時は映画や読書に没頭しているときのように、心は一種の解離を起こしています。知らず知らずの内に多くの時間が流れてしまっているかもしれません。空想癖のある人は生活の中でどの位の時間を空想にかけているか把握していますか? 意外に多い事に気付くかもしれませんが、もしも、空想する事が生活の中心と言えるほど多くの時間を占めてしまっていったら現実に対処する能力が顕著に低下してしまいます。
こうした場合、「まず、すべき事を先にする」「人と話す時間を増やす」「空想できる時間を持てないほど忙しくさせる」など、白昼夢に浸れない環境に自分を置いてみる、また、困難に直面しても白昼夢に浸る事を心の防衛機制として使用せず、より健全な心の防衛機制の手段を用いる事が望ましいです。
例えば、辛い状況を正面から見ないで、「やってられない。もう笑うしかないね…」と、斜めにユーモアのセンスをもって受け止めてみたり、「もうがんばるしかない」とモチベーションを高めたりする事はより健全な心の防衛機制となります。
また、優れた空想力は創作活動の原動力になるかもしれません。もっとも、思春期に空想癖があっても大人になるにつれ次第に空想しなくなった人はこのような対処を意識する、しないに関わらず身に付け、心を成熟させたと言えると思います。
もしも、空想の世界に浸りやすい場合は、満たされない欲求の存在や何か困難に直面して気持ちが落ち込んでいる、また、他人を避けてしまいやすいなど、自分の世界に入り込みやすい心の傾向が強くなっている場合も考えられます。もしも、空想癖で困っていたり、何かしら問題を抱えている事を自覚している場合は精神科や神経科で相談する事も考慮してみましょう。