このケースは何科に行けばよい?
自分の精神的な問題には、なかなか気付きにくい場合があり、病院へ行く事を思いつく事も回復への大きな一歩です |
■ Case1 (30代男性)
最近、職場で昇進しました。同時に責任も重くなり、連日のように夜遅くまで残業。疲れを感じやすく、朝早く目が覚めるようになり、仕事中にイライラします。何もかも投げ出したい気になり、先日は勤務時間中に家に帰ってしまいました……。
→ 仕事に大きな支障が生じていて、強い気分の落ち込みを感じています。うつ病の可能性もありますので、精神科、神経科の受診が望ましいです。
■ Case2 (男子大学生)
試験やレポート提出の前には強い不安を感じます。持病の気管支喘息が悪化して、吸入器が手放せなくなる事もしばしばです。
→ 試験、レポート提出というストレスのために、体がアレルゲンにより過敏になってしまい、気管支喘息が悪化しやすい状態になっているかもしれません。不安症状と共に身体症状(喘息)も大きいようなので、心療内科を受診するのが良いでしょう。
■ Case3 (40代女性)
新居へ移ってから、なかなか新しい環境に慣れません。夜はなかなか寝付けず、次第に周囲に違和感を感じるようになり、近所の人達が立ち話をしていると自分の悪口を言っているような気がします。食欲はなく、気分は冴えません。
→ 気分の落ち込みがはっきりしていますが、被害的な考えは妄想に近くなっている可能性もあります。精神症状が主ですので、精神科・神経科が良いでしょう。
■ Case4 (帰国子女)
高校卒業まで海外で過ごしていました。大学入学後、仲間同士の輪になかなが入り難く、さびしさを覚え、海外での生活をよく思い出してしまいます。これからどうしていくべきか、将来への強い不安を感じます。
→ 新しい環境への適応をよりスムースにできるように、まずはカウンセリングを受けるのが良いと思います。
早めの病院受診は回復への第一歩
受診すべき科の考え方が、少し分かってきたでしょうか?また、意外かもしれませんが、心の病気は自分では問題が生じている事になかなか気づかない場合があります。
日常生活で対人関係や環境に何か問題や納得がいかない状況を抱えている場合、まずはそれが自分のメンタル面から生じている可能性はないか考えることも、時には大切です。
その場合は「病院に行ってみた方がよいかも」と考えること自体が、心の病気からの回復への大きな一歩になります。心の病気は治療が早期に開始できればできるほど、予後がより良好になりますので、普段からメンタル面への意識を高めておきましょう!