「早く話してくれればよかったのに」
と思っていませんか?
「早く話してくれればよかったのに・・・・・・」と言われるのは、よけいにつらいもの |
「それほどまで悩んでいたなんて、思わなかった」
「どうして、もっと早く相談してくれなかったの?」
厚労省の研究班が行った調査(03~06年)によると、岩手県、福島県、大阪府、東京都にある4つの病院の救命救急センターで自殺未遂者1,516人と209人の遺族に聞き取りをしたところ、約8割は事前に家族や友人に相談していなかったことが分かりました。
たとえ親しい間柄でも、他人の気持ちに気付くのなかなか難しいことかもしれません。そのため、心の危機に陥った人に「もっと早く話してくれれば・・・・・・」と思ってしまうのも仕方のないことでしょう。
しかし、上記の調査結果から分かるのは、心の危機に陥った人は、自らその気持ちを打ち明けることすら難しいという現実なのです。
落ち込みが深くなるほど、
口は重くなる?
心の危機に陥った人は、「話を聞いてもらおう」という気力すら湧かないことが多い |
そもそも「悩みを誰かに打ち明けよう」「聞いてもらって解決しよう」と思う気持ちは、まだまだ人生に対する興味や意欲があるからこそできるもの。
「死にたい」と思うほどの心理状況では誰かに話そうという心の余裕もなく、憂うつな気持ちや考えにがんじがらめになっていることが多いのです。
そのため、家族や友人、職場の仲間など周りの人は、落ち込んでいる様子が気になり始めたら、注意深く様子を見守り、積極的にサポートする心がけが必ず必要になります。
次のページでは、心の危機に陥った人へのサポートをするために必要なことについてご紹介します。>>次のページへ