昔の中国には纏足(てんそく)という風習がありました
昔の中国には纏足(てんそく)という風習がありました

小さい足は美しい纏足(てんそく)

美しく、クールでありたい。いつの世でも変わらぬ女性のテーマですが、何が美しく、かっこいいかはその社会、文化の価値観次第。現在はスリムな女性がかっこいいとされていますが、南太平洋の島国、トンガではふとっている方がかっこいいそうですよ。

でも、こうした美的価値観には弊害もあります。スリムになろうとダイエットが行き過ぎてしまい、体が食事を受け付けなくなってしまう拒食症などが代表的でしょう。カーペンターズのカレンさんが拒食症で亡くなられたことは多くの方が耳にしたのではと思います。

ところで、もしも女性の足は小さい方がかっこいいという価値観の社会では何が起こると思いますか? 今回は、中国で1000年以上も続いた風習、女性の足を子供の頃に縛って小さなままにする纏足(纏足)について、お話したいと思います。


纏足(てんそく)の歴史

伝説によると10世紀の宮廷に足の小さな女性が好みの王子様がいました。この王子様にとって一緒にダンスをする女性の足は纏足でなくてはなりません。これに影響されて、若い女性の足は纏足であるのがエレガントという価値観が生まれました。

当初は宮廷、貴族階級の風習でしたが、徐々に庶民階級まで広がっていきました。その裏には纏足することで娘を上品に見せて、良い縁談をという親の願いがあります。清王朝の時代(1639~1911)には纏足の風習は社会に広く浸透し、纏足をしていない女性はまともな結婚相手が見つからないほどでした。

このように千年以上続いた纏足の風習も、西洋文化が中国に入り始めた19世紀後半からは下り坂でした。女性の美の基準が西洋の女性に置かれるようになり、西洋の女性のような(纏足していない)足の方がエレガントになったからです。清王朝が滅び、中華民国が誕生した頃には、纏足の風習は法律で正式に禁止され、行われなくなりました(雲南省などの辺境地方では1950年代まであったそうです)。


纏足(てんそく)の残酷さ健康に対する悪影響

纏足の施術は女性が3歳~11歳の子供の頃に足を布で縛って行われます。その際、足の指は親指を残してみな折られてしまいます。足の骨は変形してしまい、10cm以上大きくなりません。この纏足された足では、歩くのに大変な苦痛を伴い、長い距離は歩けません。現代の感覚では大変な児童虐待ですね。

また、纏足は健康面にも悪影響があります。1997年のカリフォルニア大学サンフランシスコ校による調査結果をご紹介します。北京の70歳以上の女性193人が無作為に選ばれました。

そのうち、80歳以上の女性の38%、70~79歳の女性の18%に纏足が見られました。自力で椅子から立ち上がれない人の割合は纏足をしたグループで43%、纏足していないグループで26%。おしりの骨の密度は纏足をしたグループが纏足をしていないグループより5.1%低いという結果でした(骨の密度が低いということは骨折しやすいという事を意味します)。

纏足の風習は私達から見るとナンセンスですが、当時の中国社会では当たり前のことでした。女性の美に対する価値観が虐待同様の風習を生み出してしまうとは…、凄いですね。今でも雲南省の昆明のような土地に行くと足の小さなおばあさんに出会えるかもしれません。


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