夏バテとは……だるさ・疲れ・食欲不振などの夏の不調
照りつける太陽と厳しい暑さ。だるい、食欲がないといった夏バテ症状には注意が必要です。
つまり極論をいってしまえば、「夏のカラダの不調は全部夏バテ」といっているようなものなのです。詳しくは、「吐き気、頭痛、眠気…「夏バテの症状」チェックシート」でも解説していますので、あわせてご覧ください。
7月に入ると「そろそろ夏バテ対策を始めたほうがいいかも……」と思っている方も多いかもしれませんが、意外と多くの人が間違っている重要な事実があります。それは、「現代の夏バテは、昔の夏バテとは少し違う」ということです。
この点を正しく認識しておかないと、「夏バテを解消しようと食べすぎて、太ってしまった」「夏バテではないはずなのにカラダがだるい」ということになりかねません。以下では夏バテの原因を解説し、正しい10の対策法・解消法をご紹介します。
夏バテの原因……食欲不振、睡眠不足など様々
「夏のカラダの不調が夏バテ」ですから、当然夏バテの原因は一つではありません。「あなたは大丈夫? 夏バテしやすい生活習慣」で詳しく解説しましたが、あなたにも当てはまる習慣はありませんか?従来の夏バテの原因は、暑さからくる食欲の低下や食事の偏り、大量の発汗、睡眠不足といったものです。暑いからといって冷たいものをたくさん飲んでしまうと胃液が薄まり、消化機能が低下して食欲が落ちるといった悪循環も指摘されています。
現代の夏バテと昔の夏バテの違い……エアコンの影響も大
ところが最近の夏バテの原因は、昔ながらの「暑さによる食欲低下」といったものだけではないのです。むしろ、今の夏バテに大きく寄与していると考えられるのが「エアコン」。つまり、エアコンの効いた室内と暑い外との温度差に身体がうまく対処できず、カラダが混乱して自律神経失調状態になること。これが現在の夏バテ対策を一番難しくしていると考えられます。
それでは以下で、具体的な夏バテ対策法をご紹介しましょう。
効果的な夏バテ対策法10カ条で、上手に予防・解消を!
1. エアコンの設定温度をうまく調節するエアコンの効いた室内と蒸し暑い外を往復すると、身体はその変化についていけません。5度以上の温度差に対しては、身体の温度調節機構はうまく働かないと覚えておきましょう。エアコンの設定温度は省エネの面からも28度ほどがオススメです。
2. こまめに上着を脱ぎ着して調整する
といっても公共機関のエアコンはどうしようもないし、オフィスの冷房もなかなか自分ひとりでは変えられない……というのも事実。さっと羽織れる上着を一枚持って、こまめに脱ぎ着しましょう。
3. エアコンよりも除湿機能や扇風機を活用する
湿度が低いと涼しく感じるので「エアコン(冷房)より除湿」を心がけましょう。さらに風があると体表から熱が奪われて涼しくなるので扇風機を併用するのもオススメです。エアコンの向きは、直接体を冷やさないように、風向きは天井に向けるのがポイント。直接冷たい風が体にあたるようにすると、体の表面の熱が奪われ続けることになってしまうので、体が疲れてしまいます。同様に扇風機も首を振るようにしましょう。
4. 就寝中、ずっと夜間のエアコンをかけておくのが嫌な人はタイマー設定
昔は冷えるのが嫌とのことで就寝時エアコンを切る人も多かったですが、最近の夏の暑さはエアコンなしでは場合によっては危険。寝ているときにずっとエアコンがかかっているのが嫌な人はタイマー設定を上手に利用して、睡眠の質を下げないようにしましょう。
5. 夏の快眠のためには頭を冷やす
全身を冷やさなくても、頭が冷えるとそれだけで涼しく感じます。冷えるタイプの枕を使ったり、裏ワザとしては、風邪用の頭を冷やすシートを使うとかなり涼しく感じることができるようです。敷布団の上に竹シーツや寝ござを敷くと身体と布団の間に隙間ができて体感温度が下がり、涼しく感じます。
6. 暑くても冷たい飲み物のがぶ飲みはNG
暑いと食欲が低下しがち。でも、冷たい飲み物を摂りすぎると、胃液が薄まり消化機能の低下を招いてしまいます。
オススメはぬるめのミントティー。ミントには食欲増進や、胃や腸の消化、働きを高める作用などがあるといわれていますし、爽快感もあります。詳しくは、「夏バテに…冷たい飲み物vsあったかい番茶」をご覧ください。
7. 少量でも良質のたんぱく質、ビタミン、ミネラルを摂る
夏バテ防止に効果的な食事の摂り方は、たんぱく質、ビタミン、ミネラルをバランスよく摂るようにすることです。たとえ少量でも質の良いものを食べることが重要。ビタミンの中でも特に重要なのは糖質の代謝を助けるビタミンBなのでこれを積極的に摂りましょう。豚肉や精製していない穀類、豆類などに多く含まれます。「夏バテには枝豆が効果的」もご参考に。
8. 刺激の強い食べ物を味方にする
胃腸を刺激すると食欲が増進します。胃液の分泌を促す食べ物には、辛いものや香辛料、香味野菜などがあります。辛いものは、発汗による夏ばて防止効果も期待できます。スパイスいっぱいのカレーは実は薬膳料理という話も。ただし食べすぎは胃腸を痛めるのでほどほどに。レモン・お酢などの酸味も食欲増進、疲労回復効果があります。
9. 夏太りに注意する
最近は夏ヤセよりも夏太りする人が増えているとか。これは、エアコンの効いた部屋にいるにもかかわらず、昔の夏バテのイメージを引きずって、暑さで体力を落とさないようにとつい食べ過ぎてしまっていることも原因のようです。また、夏の食事は冷たいものが多いですが、実は冷えたものは油分も甘味も感じにくいので注意が必要です。
「暑いから身体が持たないし、いっぱい食べなきゃ」というのは過去の話かもしれません。「気をつけよう!夏やせよりも夏太り 夏太りにご用心」などもご参考に、バランスの良い食事をしましょう。
10. 運動や半身浴で上手に汗をかいて体温調整を
汗をかくのはカラダの温度調節のためにもとても重要。しかも、血流も良くなる、老廃物も出てゆくという効果もあります。暑いからといって身体を動かさないとうまく汗をかくことができなくなります。涼しい夕方などにちょっと歩いてみるなど、適度な運動をしましょう。
半身浴などでゆっくりぬるめのお風呂につかるのもよいでしょう。好みのアロマオイルをたらしたりすれば、リラックス効果も高まります。お風呂後のストレッチも血流促進効果と筋肉をほぐす効果があるのでオススメです。「残暑の疲れを解消! 1日2回の入浴術」をご参考に。
他の夏バテ対策法もチェックしたい方は、 「夏バテ防止のための7つの習慣」「夏バテの予防・解消に! おすすめ簡単レシピ100」もご覧ください。