小林ケイさん
(HMCA Aroma School)
アロマセラピスト。JAA(日本アロマコーディネーター協会)加盟校のHMCA Aroma School代表を務める。HMCA Aroma School
「何を選んだらいいかわからない」という方に・・・
ストレスケアに
おすすめの
エッセンシャルオイル
※これらのオイルの薬理効果は実証されているものですが、あくまでも選ぶ目安として参考にしてください。嫌いなオイルを用いるのは逆効果です。
■疲れがとれない
自律神経のバランスを穏やかに整える香りを
ローズウッド---ローズの甘い香りのなかに、若干スパイシーな香りを感じます。
グレープフルーツ---おなじみの柑橘系の香り。ブレンドにもぴったり。
■集中力が続かない
脳を活性化させる香りを
ローズマリー---葉は肉料理にもよく使われます。刺激の強い香りです。
ブラックペッパー---コショウのこと。おなじみのスパイシーな香り。
■落ち着かない
心身を鎮静化させる香りを
ラベンダー---おだやかで洗練されたフローラルな香り。
カモミール・ローマン---青リンゴのような甘いやさしい香り。
■さらに深い鎮静には
ベチバー---大地を思わせるスモーキーな香り。
ネロリ---女性らしいフローラルな香り。
癒し系アイテムとして不動の人気の「アロマセラピー」。「ストレスあるところにアロマセラピーあり」というほど、あちこちで紹介されていますが、「本当に効くの?」といぶかしく思っている方も多いはず。今回はHMCA Aroma Schoolの代表を務めるアロマセラピスト・小林ケイさんに、意外に知られていないストレスとアロマセラピーの関係について、じっくりお話をうかがってみました。
⇒やってみよう!「かんたん手浴でリラックス」
---香りがどうして心や体にいいのか、いまいちピンとこないという人は多いですよね。
香りの効果をあいまいに捉えている方は多いですね。でも、香りは“古い脳”に直接作用し、ストレスを緩和する力があることが実証されているんですよ。
---“古い脳”ってなんですか?
大脳は、外側に位置する「大脳新皮質」と内側の「大脳辺縁系」の大きく2つの種類に分けられます。
大脳新皮質は、動物のなかでも人間が特に発達した部分。理性や知能活動などをつかさどっています。
一方、大脳辺縁系は、食欲や性欲といった欲望や、喜びや悲しみ、怒り、恐怖、驚き、嫌悪感などの情動をつかさどり、また生まれてからの記憶が蓄えられている場所でもあります。
通常、大脳新皮質のことを“新しい脳”といい、大脳辺縁系のことを“古い脳”と呼んでいます。
---では、“香りが古い脳に直接作用する”とはどういうことなのでしょう。
人間には、見る、嗅ぐ、聴く、触れる、味わうという5つの感覚がありますが、これらの刺激を受けると古い脳で“快”“不快”の情動が起こります。
これらのなかで、嗅覚だけは古い脳を直接刺激することができ、嗅覚を除く4つの感覚は新しい脳を経由して古い脳に伝わっているのです。
---香りは古い脳に直接作用するだけに、本能や情動を活性化する力も強いというわけですね。
そうです。ストレスを感じると、この古い脳が“不快”の刺激を受け、イライラしたり、感情が乱れやすくなってしまいます。
しかし、香りは古い脳に直接刺激することができるわけですから、好きな香りをかげばすぐに気持ちがよくなり、不快の情動を抑えることができます。また、香りを嗅ぐと昔のことをすぐに思い出すのも、古い脳にダイレクトに働きかけるためです。
---選ぶエッセンシャルオイルは、やはりストレスへの薬理効果が高いもののほうがいいのでしょうか?
いいえ、あくまでも好きな香りを選んでください。好きな香りをかぐと、それが快刺激となって本能を活性化させ、前向きな気持ちを呼び起こしてくれます。
嫌いな香りなのに「効くといわれているから」と毎日一生懸命嗅いでいても、脳には不快な刺激しか与えないわけですから逆効果です。
---“新しい脳”を働かせて選ぶのではなく、“古い脳”を働かせて選んだほうがいいということですね。
情報化社会となった現代では新しい脳がはたらきすぎて、古い脳の活動を抑圧してしまっていることが多いのです。
アロマセラピーは直接古い脳の活動を呼び覚まし、生きる喜びや楽しさを目覚めさせるものですから、新しい脳はなるべく働かせないでリラックスして行ったほうがよいのです。