重いコートやセーターを脱ぎ捨て、体のラインがわかるスリムな服を着こなしたい今日この頃、「ああ~、ダイエットしなきゃ!」「でも食べるのをやめられない!」という気持ちの狭間で揺れ動き、気持ちが不安定になっている人も多いのではないかと思います。今回は、リバウンド前に押えておきたい、ストレス太りのメカニズムについて考えてみたいと思います。
■ストレス太りはなぜが女性のほうが多い
ストレスを感じたとき、あなたはどんな方法で解消していますか? 体を動かして発散する、おいしいものをおなかいっぱい食べる、さっさと寝てしまうなど、その方法は人によってさまざまですよね。
ストレスを感じているときの食事量の変化
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平成14年「国民栄養調査」
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平成14年の「国民栄養調査」ではストレス解消の男女差に対する、興味深い結果を発表しています。同調査によると、ストレスを感じたとき、「食事量に明らかな変化がある」と答えたのは、男性では3割強なのに対し、女性では5割を超えています。しかも、男性では食事量が少なくなると答えた人のほうが、多くなる人より多いのに対し、女性では多くなる人が少なくなる人を若干上回っています。
また、ストレスを感じたときの体重の変化に関して、体重が増える(太る)と答えた人は、男性が6.2%だったのに対し、女性は15.8%という結果に。つまり、これらの結果をまとめると、ストレスを感じたときに、女性は男性より食べることで解消する人が多く、しかも体重の増加にも結びついている、ということがいえるようです。
■過食をするときには、どうしてコンビニに駆け込むの?
さてここで、食べることでストレス解消をしている方たちに質問です。具体的には、どんな食べ物でストレス解消していますか? 高級レストランで豪華なランチを食べたり、ケーキなどのスイーツを食べたり、はたまたラーメンのハシゴなど、それこそ人それぞれ、またそのときの状況によっても異なりますよね。
食べることを一時的なストレス解消法とする程度ならよいのですが、なかには際限なく食べつづけて過食症になる人もいます。精神科医の高橋龍太郎氏は、著書のなかで過食症の女性の食行動について興味深い指摘をしています。
過食症の女性を生み出す要因はいくつか考えられます。24時間開いているコンビニの隆盛も、そのひとつ。おもしろいことに、自分で手間暇かけてつくった料理で過食に走る女性は、まずいません。例外なくコンビニで売られているような簡便な食べ物で過食になります。お手軽な物質主義や、大量生産、大量消費という今日的な状況が過食を生んでいるのです
出典:『あなたの心が壊れるとき』 著:高橋 龍太郎 扶桑社文庫刊 2002年
たしかに、過食症ならずともムシャクシャしたときには、コンビニでスナック菓子やケーキ、油っこいファストフードなどを買って、むしゃぶりつきたくなりませんか? 作って食べるのもまどろっこしく、手軽に手に入るものをすぐに食べて気分を紛らわしたくなりますよね。しかしそのときは、食べ物に対する感謝の気持ちや人と食卓を囲む喜びなど、和やかなムードは一切なく、頭の中はこれらのものを食べて「とにかくいますぐ、このイライラをなんとかしたい!」という気持ち一色に染まってしまっていないでしょうか。しかし、この現象はいったいどうして起こるのでしょう?