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時差ボケしない人になる方法・海外旅行での体内時計の整え方

【医師が解説】時差ボケしやすい人と時差ボケしない人には違いがあります。海外旅行に出発する前に、まずはセルフチェック! 出発前や飛行機内でできる予防法、目的地に着いてからの対処法で時差ボケは軽くできます。体内時計をどうやって現地時間に調整できるかがポイントです。

坪田 聡

執筆者:坪田 聡

医師 / 睡眠ガイド

時差ボケの原因は? 時差ボケしやすい人の傾向と特徴

時差ボケの直し方は

時差ボケになりにくい人は何が違う? 上手に時差ボケを直す方法は?


海外旅行につきものの「時差ボケ」。国際線のパイロットでも9割近くが、時差ボケの症状に悩まされているそうです。時差ボケしやすい人の傾向や条件として、朝型人間、中高年者、神経質で内向的な性格、東行きフライトが知られています。

早寝早起きが得意で活動のピークが午前中にある朝型人間は、体内時計が規則正しすぎて生活リズムの変化に弱いためでしょう。一方で、夜型人間の体内時計は、柔軟性が高いので時差ボケしにくいようです。

また、中高年者の場合、年齢とともに睡眠の質が落ちていることが多いため、時差の影響が加わることで時差ボケの症状が強く出る方が多いようです。心身の回復力も弱ってくるので、症状の回復が遅れて時差ボケが長引くこともあります。

時差ボケの原因は、体内時計と現地時間が食い違うこと。体内時計の調整には人と会話したり遊んだり、あるいは仕事をすることが大切です。あまり社交的でない人は、この社会的同調因子が少なくなるため時差ボケが直りにくい傾向があります。

人間の体内時計は1日が約25時間と、地球の1日よりも1時間長め。日本からヨーロッパへ向かう西向きフライトでは、体内時計を遅らせればよいので調整しやすいのですが、日本からアメリカ方面へ向かう東向きフライトでは、体内時計の調整に時間がかかってしまいます。
 

時差ボケしないコツ・時差ボケを早く直す方法

出発前に睡眠不足の状態にあると、時差ボケの症状が強く出てしまいます。夜の睡眠時間が確保できないときは、正午から午後3時までの間に、30分以内の昼寝をするとよいでしょう。出発の1週間ほど前から、東行きフライトでは早寝早起きを、西行きフライトでは遅寝遅起きを心がけ、体内時計を現地時間に近づけましょう。

飛行機の中では、現地時間に合わせて睡眠をとることが大切。現地が夜なら眠り、朝には起きる。周りの音や光が気になる人は、機内に耳栓やアイマスクを持ち込むことを忘れずに。少量のアルコールは寝つきを良くしてくれますが、機内では地上に比べて酔いが早く回るので注意が必要です。

起きていたいときは、コーヒーや紅茶でカフェインを摂ったり、他の人の迷惑にならない程度に機内を歩きましょう。機内食は現地時間に合わせて出されるので、少しでもよいから食べておくと胃腸の体内時計が調節されやすくなります。

目的地へ日中に到着したら、屋外に出て強い光を浴びると体内時計の調整が進みます。ついでに散歩もすれば、眠気の解消にも効果的。どうしても眠いときは2~3時間だけ仮眠をとりましょう。あまり長く眠ると夜の睡眠に支障をきたして、時差ボケからの回復が遅れてしまいます。

夕方以降に飛行機が着いたら、現地時間に合わせて行動を。目がさえて眠れない時は、ぬるめのお風呂に入ってリラックスしたり、夕食に適量のアルコールを飲んだりすることをオススメします。

翌朝は、起きたら熱めのシャワーを浴びると、目が覚めやすくなります。熱いお湯は交感神経を刺激して、活動的な1日を過ごすための準備をしてくれるからです。

以上のことを上手に実践して、快適な旅を楽しんでください。

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