最近はいろいろなお肉が食べられるようになりましたが、ダイエットに良いということで人気急上昇中なのが『ラム肉』。 オーストラリア食肉家畜生産者事業団(MLA)によると、今年5月の対日輸出はなんと去年の同じ時期と比べて61%増!にも上ります。 そこで今回は、『なんでラム肉がダイエットに効くといわれているの?』という質問にお答えします。
カルニチン
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脂肪をエネルギーにするために |
L-カルニチンってご存知ですか?アミノ酸の一種で、必須アミノ酸のリジンとメチオニンを原料に、ビタミンC、鉄、ビタミンB6、ナイアシンなどの働きをかりて、肝、腎臓で作られます。また動物性のお肉からも摂取することもできます。 脂肪(詳しく言うと脂肪の分解産物の脂肪酸)が体内で筋肉のエネルギーになるためには、細胞のなかのミトコンドリアというラグビーボールのような形をした器官に運ばれて、その中で分解される必要があります。カルニチンは脂肪がミトコンドリアのなかに入り込む手助けをします。
全身性カルニチン欠乏症という病気があります。この病気の方はうまく脂肪を身体でエネルギーにできません。そのため乳幼児期の死亡率が高い病気です。また、透析患者さんや重い肝臓病のある方でも、カルニチンが欠乏しやすく、これにより不整脈、心肥大、倦怠感が生じる可能性を指摘されています。
またカルニチンは血中の中性脂肪やコレステロールを減らす働きを指摘されています。
カルニチン含有量
ラム肉は豚肉の2倍のカルニチン量が含まれているのですね。
*食肉100gあたりのカルニチン含有量*
鶏肉 |
4.55~9.10 mg |
豚肉 |
35mg |
牛肉(ヒレ肉) |
59.8 mg |
ラム(仔羊)肉 |
80mg |
羊肉(マトン)肉 |
208.9 mg |
牛乳 |
1.9 mg |
鶏卵 |
0.8 mg |
パン |
0.2 mg |
ニュージーランド食肉研究所調べ |
カルニチンの摂取量は1日100~300mgくらいといわれているようです。過剰症は今のところ特に無さそうです。
低コレステロール、鉄分、ビタミンB群が豊富
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ラムよりマトンのほうがいいかも? |
ラム肉は50mg(100mgあたり)と低コレステロール。また、コレステロール値を下げる不飽和脂肪酸も多く含まれています。体に吸収されやすいかたちの鉄分が豊富なので、貧血がちの女性にオススメ。またビタミンB群が豊富に含まれるので、夏バテにも効果的ですね。 ちなみに余談ですが、ラム肉は1年未満の羊肉で、臭いがきつくないのが特徴。マトンは成育した羊の肉で、特有の香りがするので好き嫌いが分かれるところですが、栄養成分はさらに豊富です。
今年の夏は『ジンギスカンでダイエット』といったところでしょうか。でも食べ過ぎにはご注意くださいね。 カルニチンについてもっと興味がある方は
こちらへどうぞ(PDFファイル)
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