お醤油の歴史
お醤油は、古代中国から伝わる「醤(ジャン)」だと言われています。これは塩漬けから始まったものです。みなさんがよくご存知の「しょっつる」も魚を原料とする「魚醤」の一つ。他にも「肉醤」、果実、野菜、海草などを材料にした「草醤」穀物を原料とする「穀醤」などがあったそうです。お醤油は、いわゆる穀醤が原型となります。
お醤油の種類
日本農林規格(JAS規格)では、原料や製法の違いから下記の五種類に分類しています。さらにそれぞれに「特級」「上級」「標準」の3段階に分類され、色度、全窒素分、無塩可溶性固形分、アルコール分などに規格を設定しています。
・濃口醤油 塩分の目安16%
現在、日本の消費量の約80%を占めるお醤油で、「醤油」と言えば、この濃口醤油を指します。原料の大豆と小麦は、半々程度使われます。
・淡口醤油 塩分の目安19%
濃口と比べると小麦の比率が高くなっています。関西で好まれるもので、素材の持ち味を生かすために、色や香りを抑えていますが、塩分は濃口より約1~2割多く使用しています。
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香ばしい香りがたまらない。おかきなどの米菓子にはたまり醤油がよく使われています。・たまり醤油 塩分の目安16%
原料は大豆が中心で、小麦は使わないか、あるいは少量です。塩分は濃口と同じですが、トロリとした濃厚な味と香りが特徴。お刺身などのつけ醤油や照り焼きに適しています。佃煮やおかきなどの加工用にも使用されます。
・再仕込み醤油 塩分の目安16%
他と違って、食塩水の替わりに、麹を生醤油で仕込むため、「再仕込み」と呼ばれています。色、味、香りともに濃厚で、別名は「甘露しょうゆ」。煮物、つけ・かけ用に使われます。
・白醤油 塩分の目安19%
淡口よりもさらに淡い色。他は大豆が主原料ですが、こちらは小麦が主原料で、味は甘味が強く、独特の香りがあります。吸い物や茶わん蒸し、うどんつゆなどにむいています。
この他にもお醤油として使われる商品があります。
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香りよくまろやかな風味の生醤油はお刺身にむいています。生醤油って何?
このタイプは、醗酵・熟成後もろみを搾ったままの状態で、加熱処理(火入れ)をしていません。もろみ特有の香りやあまみのあるまろやかな風味が特徴です。冷や奴などのかけ用やお刺身などのつけ用むきです。
「減塩」と「うす塩」は違う?
よくにた表現ですが、「減塩」は高血圧、腎臓病、妊娠中毒毒症などで減塩をしている人向けに開発されたもので、塩分は通常の50%以下(9%)です。通常のお醤油を製造後、特殊な方法で塩分だけを取り除くのです。厚生労働省の「特別用途食品」として認められています。
「うす塩」は、食塩分は通常の80%以下(13%)。あま塩しょうゆ、あさ塩しょうゆという名前のものもあります。
ちなみに、「だし入り醤油」「ポン酢醤油」などは、JAS規格では醤油とは別に分類されます。
いかがでしたか? とっても身近な調味料ですが、意外な健康効果や、おいしさを引き出す力があることに驚きました。発酵食品など長い歴史の中で伝えられたきた食べ物には、やはりすばらしい力があるものですね。
参考/しょうゆ情報センター
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