手形は2回不渡りになると倒産になる
手形が6ケ月以内に2回不渡りになると、当座預金取引が停止され事実上の倒産になる
誰もが当座預金を開設できるわけではなく、経済的な信用力があるかどうか銀行で審査が行われます。まず銀行に普通預金で会社口座を作り、その口座を使って取引をすることで銀行に対して信用をつけてから当座預金を開設します。
手形が銀行に持ち込まれると、開設した当座預金から支払われます。支払いが無事終了すると「手形が落ちた」ことに。反対に残高不足で支払ができないと「手形が落ちない」になります。相手がうっかりミスで残高不足にしている場合がありますので、すぐに連絡します。
手形を振り出した企業の業績が悪く、支払いの目処がたたない場合は不渡り手形になります。半年の間にもう1回手形が落ちない事故が発生すると、当座預金取引ができなくなります。つまり手形発行ができなくなり、現金取引でしか商売ができません。信用ががた落ちになり、取引業者がいっせいに商品を持ち出してしまうので、実質的に営業ができなくなります。これが不渡り手形による倒産です。
紙の手形は紛失・盗難リスクがある
便利な手形ですが問題点もあります。まずは紛失や盗難です。手形上の権利をすぐになくすわけではありませんが、盗難や紛失した手形であることを知らない第三者(善意の第三者)に手形が渡ると、もとの所持人は手形上の権利を失います。手形は紙なので、物理的な手渡しが必要。手形割引を受けたり、支払ってもらう場合、銀行に手形を持参しなければなりません。遠隔地の企業と手形取引をする場合は輸送が必要。
手形には偽造手形の問題があります。手形が偽造手形であることが証明できれば、企業は手形について何の責任も負いません。ただ多いのが社員による偽造です。こうなると使用者責任が問われます。
手形は合理的な支払手段でありながら、手形の作成・保管にかかるコスト、印紙税の負担、紛失・盗難のリスクなどの問題から近年、手形の利用が大幅に減少しています。