職種別の給与は
介護業界が抱える構造的な問題はさておき、介護労働者の職種別給与を見てみましょう。前項で引用した「事業所における介護労働実態調査結果」によると、最も給与水準が高いのは介護支援専門員(ケアマネジャー)の26万712円。看護職員の25万6656円を抜いて僅差でトップです。2009年4月の介護報酬改定では、ケアマネジャーが担当件数をオーバーしても、担当件数全てではなく、オーバーした件数分だけ介護報酬がカットされることになりました。これにより、収益アップが予想されますから、もしかしたらもう少し給与水準が上がるかもしれません。
次に給与が高いのは相談員の23万8359円。そして、サービス提供責任者22万458円、介護職員※319万6013円、訪問介護員19万1485円と続きます。ただしこれはあくまでも所定内賃金。夜勤手当は含んでいません。夜勤手当は、4000円程度から多いところでは8000円というところもあります。施設の介護職は月4~6回程度夜勤がありますから、特に相談員と比べると夜勤のある介護職員のほうが実際に受け取る給与は高いということもあります。
介護職員のかたの中には、ステップアップのために社会福祉士や社会福祉主事任用資格など相談員になるための資格取得をめざすかたも多いようですが、実際の給与、手当等をよく調べてから取り組んだ方がよいでしょう。
介護業界の賞与の相場ですが、事業所によりゼロから年間4ヶ月程度と非常に差があります。求人票や面接の際に確かめる必要があると思います。
※3 介護職員とは、訪問介護以外の介護保険法の指定介護事業所で働き、直接介護を行う人を言う(看護職は含まない)。施設、デイサービス、グループホームの職員等を指すと思われる。