M子さんのようなケースでは、一旦マンションから離れ、「何のためにマンションが欲しいのか」を考え直し、新しいマンションでの自分の暮らしを強烈にイメージすることが必要です。ところがです、そんなM子さんを待っていたのは、運命の出会いでした。
モデルルーム見学帰りの運命の出会い
運命の出会いはペットショップで。 |
もう、顔も名前も忘れてしまった以前の担当者らしき人から、充分過ぎるほどの説明を受け、「やっぱり新しいマンションはいいなぁ」といつもの感想を胸に帰路につきました。駅に程近い四つ角で信号を待っていたM子さんは、何となく視線を感じて振り向きました。するとそこにはペットショップ。ガラス越しにM子さんをじっと見つめるトイプードルの仔犬。見つめられるままにショップ内へ。我に返ると虹色のリボンを耳に結んだ仔犬をしっかりと抱いていました。
でも、M子さんのアパートでは、仔犬は飼えません。これまで何十物件ものモデルルームを見ても決められなかったM子さんですが、今回の判断はすばやいものでした。
「ペットが飼える」を条件にマンションを再セレクト
これまでのM子さんは、特定の条件にはこだわらず、ただ「今のアパートよりも条件が良ければいいや」という大雑把なフィルターを通してマンションを選び、モデルルーム見学をしていました。本人は気付いてないようですが、この条件だとほとんどの新築マンションが条件にあてはまり、片っ端から見学するはめになってしまいます。最初は、厳しいくらいに条件を付けてセレクトし、なければ条件を緩めていくという方法が、マンション探しには効率的です。
さて、M子さん。これまで見学したマンションの中から、「ペットが飼える」を条件にピックアップを始めました。すると、条件に合うのは一握り。ペットが飼えるマンションはあるのですが、近くに預けられるペットショップがあるか、トイプードルとお散歩できる場所や公園はあるか。ペット対応のプランとなっているのか、などと条件を付けていくと難易度が高くなってしまいます。ですがM子さん、これまでとは異なり、購入後の具体的な生活イメージが次々と湧いてきてとても良い感じです。
M子さんがさらにこだわったのは、全戸がペット対応であること。大規模マンションとなるとなかなかそうはいきませんが、「住人全員がペットを飼えることを了解していて欲しい」とM子さん。聞けば、今のアパートでも内緒で猫を飼っている住人がいて、ベランダを通って他人の部屋に入るなどのトラブルがあり、皆が嫌な思いをしているそうです。何事もルール違反はいけませんね。
次ページでは、毎日の退屈から脱却したM子さんの暮らしぶりをご紹介します。