企画のノウハウ/企画の立て方・まとめ方

企画の考え方・アイディアのまとめ方5つのポイント

企画の考え方にはポイントがあります! 企画書を書いていくにあたり、もっとクリエイティブなアイディアが思いつけば……そんなふうに思い悩むことがあると思います。そんなあなたに、企画の考え方・アイディアのまとめ方の5つのポイントをお伝えします!

野村 尚義

執筆者:野村 尚義

プレゼンテーション・企画力ガイド

企画の考え方・アイディアのまとめ方、5つのポイント

企画の考え方とは

「アイデアが思いつかない!」そんなときに必要な考えかたをご紹介します


「企画書を書いていくにあたり、ありきたりなことしか思いつかない。もっとクリエイティブなアイデアが思いつけば」

企画提案書を書く立場の方ならば、そんな風に考えたことがあるかもしれません。今回、企画者として満足できる企画を生み出すアイデア思考力について、5つのポイントでお話しします。  
   

企画に求められるアイデアとは?

「アイデア」につける形容詞は「面白い」「独創的」などが使われます。この背景にあるのは「アイデアは面白さが重要」という考え方ではないでしょうか? 少なくとも、そうしたニュアンスがあるように私は感じます。

たしかに、あなたが立てる企画がテレビ番組の新企画や書籍の出版企画ならば、面白さや独創性は重要な要素かもしれません。しかし、あなたがいわゆる商売の一環で企画を立てるのならば、考えるべきは「面白さ」ではなく「役に立つかどうか」ではないでしょうか。

たとえば、営業職の方が顧客に対して企画書を提出したとき、顧客からの感想が「うん、面白い(けどうちの役には立たない)」と思われるのと「うん、うちの会社の役に立つ(けど面白くはない)」と思われるのでは、どちらが商売に結び付く可能性が高いでしょうか? おそらく後者でしょう。

なので今回は「面白い斬新なアイデアを思いつく方法」ではなく「より受け手の役にたつソリューションを思いつく方法」に絞ってお伝えしていきます。
 

企画の考え方1:企画はリサーチから始まる

企画をつくるとき、必ずそこには受け手がいます。そして、その受け手についてよく知ることが、企画において最も大切なことです。当たり前の話ですが、このプロセスに十分な時間をかけないがために、イマイチな企画になっている例をよく目にします。

では受け手について知るにはどうすればよいのか? まず第一にリサーチです。受け手について徹底的に調べる。相手が法人ならば、ホームページを調べたり、上場企業ならばIR資料などに目を通すのもよいでしょう。そして可能ならば、実際にヒアリングをする。このような形で、相手についての情報を集めることです。

資料の調査やヒアリングを行うとき、ただ漫然と情報を集めようとするのではなく、つねに目的をもって行うことも重要。「この相手が抱えている本質的な課題は何だろうか?」「どんなことに悩みを感じていて、どうなりたいと思っているのだろうか?」など、テーマや課題に対して重要なポイントを選別するつもりで情報を集めてみましょう。そうすると、不要な情報に時間を使うのではなく、効果的な情報収集を行うことができます。

アイデアの生み出し方についてのベストセラー書籍に『アイデアのつくり方』があります。その中で、アイデアを生み出す5ステップが紹介されており、そのSTEP1と2が、このリサーチにあたります。ちなみに5ステップを紹介すると、以下の通り。
名著「アイデアのつくり方」の中でも紹介されているのがリサーチの考え方

名著『アイデアのつくり方』の中でも紹介されているのがリサーチの考え方

  • STEP1.資料を集める
  • STEP2.資料を読み込む
  • STEP3.考えることをやめる
  • STEP4.ひらめいた!
  • STEP5.アイデアを具体化、展開させる
詳しくは書籍を読んでほしいのですが、ここでの重要ポイントは「ベースになる情報がなければ、アイデアなんて思いつくはずがない」ということです。
 

企画の考え方2:リサーチで足りない部分はイメージング

リサーチで十分な情報が整えば、それらを目にし耳にするなかで、アイデアが生み出されやすくなります。しかしリサーチで十分な情報が得られないような環境であることも多々ありますよね。たとえば、会ったこともない人に企画を持っていかないといけないなど。受け手について調べようもないような状態ならば、どうすればよいのでしょうか?

そういう場合は、足りない情報はイメージングに頼るしかありません。「もし自分が、受け手の立場だったら、日々どんなことを感じているのだろうか?」そんなふうに考えてみることです。相手の気持ちがリアルに感じることができれば、そのなかから気付くことも多々あります。

ある証券会社では、社員にお客様の気持ちをわかってもらうための手法のひとつとして、お客様の席に座らせて、そこで見える景色を確かめさせたり、接客を受けているときの感覚を味あわせたりするそうです。
 

企画の考え方3:ひとつの視点に捉われず多面的に見る

アイデアが出にくい時は、物事が狭い視野でしか見れていないことがよくあります。たとえば売上アップのための販売促進企画を考えないといけないというときに「どうすれば、もっと売れるだろうか?」と考えてウンウン唸っている。

そんなとき、ふと「お客さんの立場でいうと、何を求めているのだろうか?」と、自分視点から相手視点に移ってみた瞬間、アイデアが降ってくる。そういうことが起こり得ます。

陽明学者の安岡正篤氏はこんな言葉を残しています。「私は特に難しい問題を考えるときは、いつも3つの原則に依るように努めている。第一は、目先に捉われないで、出来るだけ長い目で見ること、第二は、物事の一面に捉われないで、多面的・全面的に見ること、第三に、何事によらず枝葉末節に捉われず、根本的に考えるということである」

第二に表現されている「多面的・全面的にみる」ということで、アイデアが浮かびやすくなると、私は考えています。
 

企画の考え方4:自問自答のストックをもつ

自問自答も行おう

自問自答も行おう

Point1~3をうまくするために必要な力として、質問の力があります。「この相手が抱えている本質的な課題は何だろうか?」と考えながらリサーチしたり、「もし自分が、受け手の立場だったら、日々どんなことを感じているのだろうか?」と考えながらイメージの世界に浸ったりする。あるいは、「メリットについてばかり考えていたが、デメリットを減らすという視点ではどうだろうか?」など、視点を変えるための質問を自分にしてみる。

質問されることで発想がわき、アイデアが促進される。こうした経験はあなたも持っているのではないでしょうか? たとえばコーチングなどはこの「質問によって答えが引っ張り出される」というメカニズムを活用している例でしょう。

質問の威力は強力です。しかし、いい質問がタイムリーに思いつかなければ、質問の力の恩恵を受けられません。これはもったいないことです。だったら、最初から質問のリストをつくっておき、必要な際にそれを参照するというのはいかがでしょうか?

私は1枚の名刺サイズのカードに、物事を考える際に役立ってくれそうな質問のリストを書き出しています。たとえば「受け手が私から期待することは何か?」とか「状態がどうなれば、私と受け手の双方にとってベストか?」とか「受け手の予算が無制限だとしたら、私はどんな提案をするか?」などです。
 

企画の考え方5:アイデアの種を大きく育てる

アイデアが出にくくなる考え方の1つとして「最初から、最高のアイデアを形にしなくては」という思いがあるように感じます。こういう完璧主義の考え方をしてしまうと、せっかく何かアイデアが閃いたとしても「いやいや、こういうところがまだ十分でない。大したアイデアではない」と否定してしまいます。いわゆる減点主義的な考え方です。

そうではなく「閃いたアイデアの種を、最高のものに育て上げていく」という考え方をしてみてはいかがでしょうか? 前出の書籍『アイデアのつくり方』の中でも「生まれたばかりのアイデアは赤ん坊のようなものである」といった考え方が紹介されています。

こうした考え方をプロトタイプモデルと表現します。メーカーが商品をつくる際、問題点を洗い出すためにプロトタイプ(試作品)をつくります。言い換えれば、プロトタイプには問題点があるのが前提なのです。いきなりパーフェクトな完成品を生み出そうとするのではなく、問題を含む試作品をつくり、そこから問題をつぶしていくほうがスムーズだという考え方。アイデアを生み出していく際にも、こうした考え方は非常に有効でしょう。
 

企画アイディアのために、まずは質問リストを作ってみよう!

この記事でお話ししたポイントのなかで、Point3の「質問リストをつくる」は、アイデアを考える前から手をつけられる項目です。むしろ、アイデアを考えなければならない状態になってからでは遅いとも言えます。まずはこの記事を読み終えたら第一歩として、質問リストを作ってみてはいかがでしょうか?

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