これからは「波」のように消えることを前提とした「波乗り経営」でないと生き残れない!31歳で会長になった著者の経験に基づいた戦略を紹介。

【1】

不景気だからもうからない。景気が悪いと企業に成功しない。常識ではそうだ。しかし、本当は不景気だから儲かる。不景気でも儲けるには、景気の良いときの逆をすればいい。

借り入れしない、在庫は持たない、規模を追求しない、人雇わない、事務所を拡張しない、飛び込み営業をしない、インターネットに期待しないなど、常識はずれが成功のコツだ。

不況の原因は、しょせん好況の反動だ。調整期間であり反動の時期だ。夏の反対が冬であり、カーブの反対がシュート、フォローの反対がアゲインストだ。だから景気のいいときの逆をやれば成功する。

おまけに周り人は一生懸命、儲からない前時代のノウハウで経営している。だからほっといても沈んでいく。ちょっと工夫した人だけがぐんと伸びて成功し、儲かっていく。

周りが儲かって、成長している時に、さらに儲けるのは至難の業だ。だが皆が沈む時代なら、ちょっと工夫して努力すれば、飛躍的に伸びる。これが不況のほうが成功し、儲かることの本質だ。

【2】

好景気時代の成功パターンが不景気の時代に当てはまらず、大企業モデルの起業法が中小企業にあてはまらないのは、それぞれ成功パターンが違うからだ。

右肩上がりの成功パターンは、すべてが連続している。経営、しくみ、思考のすべてがつながっている。計算し予測や経験に基づいた方法論、論理的で正確な発想だ。これが好況時、大企業の必勝法だ。

だがこれが行き過ぎると官僚主義になる、いわゆる大企業病だ。しかし、一定規模を追求し、企業を大きくし、強い組織力で経営を行うには必要不可欠な行動パターンだとも言える。

このような行動パターンは、世の中が過去から今日までのつながりで好景気の波が続く限り、簡単に確実に、儲かる方法だ。成功へとつながっていく道なのだ。

【3】

一方、中小企業が成功するパターはこうではない。特に不景気において成功するには、全く違うプロセスが必要だ。何の脈絡もつながりもない、理屈もない考え方をするべきだ。

いわば、思いつきで行動することだ。この連続性のない、思いつきの考え方は「革新的意思決定」といわれている。それは定型化できない、プログラムすることが不可能な思考プロセスだ。

これは、ノンルーチン作業と呼ばれるものだ。ノンルーチン作業とは非日常的な作業だ。反対に日常的な作業をルーチン作業という。

実は、この常識はずれな思考法こそ、不景気で成功する起業家の考え方なのだ。好景気でも、急速に伸びるベンチャー企業やゲリラ企業の経営判断のプロセスは、この革新的意思決定をしている。

論理も常識も無視して、マーケティング調査も行わず実施されるビジネスが、革新的なマーケットを築いていく。その辺りは、日米同じで、学問的にも裏付けられている。

【4】

こうした革新的意志決定は常識はずれだから、ほとんど誰も行わない。だから逆にほんの少しでも確信的な考え方を行えば、業績は上向く。

厄介なのは、日本の学校教育は、常識的な発想法をベースにしていることだ。「革新的意思決定」のベースになる支離滅裂な思考は排除、駆逐、非難される仕組みだ。だから日本人は変革に弱い。

普段思い付かないような奇抜なアイデアは、そのほとんどが革新的意志決定をベースにしている。それを否定する日本の旧体制の元ではアイデアが出ない。だからこそ、起業家も輩出されてこないのだ。

【5】

短期的に成果が上がるノウハウばかりに気をとられている経営者が多い。上べだけのテクニック、戦術といわれるモノだ。例えば、広告ノウハウや営業トーク、チラシの書き方などだ。

これらは、経営を行う上で非常に大切だ。だが、それだけでは起業家として成功できない。ほとんどの起業家が戦術だけで成功すると思っているが、だから失敗するのだ。

うまくいっている企業、儲かっている起業家ほど、これらテクニックである「戦術」に終始していない。むしろそれをもとに経営の仕組みをつくる戦略思考で経営を行っている。

戦略とは目に見えないので、わかりにくく、即効性もない。だからこそ極める必要がある。上場企業は、株価維持、株主満足などのために戦術に走りがちだ。こういうところからも、起業家は大企業を手本すべきでないことがわかる。

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