欧米では職場・住宅を問わず室内ホルムアルデヒド濃度の厳しい規制が早くから設けられましたが、わが国日本でもようやくその動きが見えてきました。
国土交通省はシックハウスの原因とされる建材の使用を制限する内容を盛り込んだ建築基準法改正案を今国会に提出し、法規制に乗り出す方針です。ホルムアルデヒドとシロアリ駆除剤などに使われる「クロルピリホス」を規制対象とし、両物質の室内濃度を厚生労働省が決めた指針を下回るように使用建材を規制します。
ライオンズマンションの大京ではシックハウスの原因建材を使用しないマンションの発売を開始するなど少しづつ改善の方向へ向かってはいますが、今しばらくは時間を要しそうです。
<シックハウスを防ぐ代表的建築素材>
珪藻土(けいそうど) | 海中の藻(も)が化石化した土。吸湿性に優れ、防水・防火性も高い。壁土に使用。 |
月桃紙(げっとうし) | 沖縄の月桃という草から作られた紙。天然の防虫、防カビ成分を含む。障子・ふすま・壁紙などに利用。 |
青森ヒバ | シロアリ防止効果のあるヒノキチオールという成分の含有量が高く、防虫効果が高い木材。 |
木炭入り畳 | 畳の芯に木炭をはさんだもの。吸湿・防臭・防ダニ効果が高い。 |
アクリル系樹脂 | ホルムアルデヒドを含まない、壁紙の材料。 |
■住宅メーカーに過失責任も
今後、シックハウスに関するガイドラインの充実に伴い、空気中への放散が少ない建材の使用や接着剤の使用料を最小限に抑えるなど、設計・施工業者に十分な配慮が求められます。
専門家であるメーカーなど供給サイドはシックハウス症候群の可能性を考慮せずに工事を進めれば、過失を問われかねない時代になりつつあるのです。
しかし、すべてのメーカーがこのガイドラインを遵守する保証はなく、我々消費者は住宅を選ぶ際に施工業者がこうした原則に従っているかをチェックすることが大切です。実際にシックハウス症候群にかかってしまった場合、メーカーの過失責任を問えることも頭に入れておくべきでしょう。
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