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成功も倍、不安も倍!2人起業事始め

「オレと一緒にビジネスをしないか?」もしも知人からそんな誘いを受けたとしたら、どうすればよいでしょう。期待が高まる一方で、金銭のトラブルも心配になるのでは。

執筆者:藤井 孝一


トラブルの原因は「共同経営」ではなく「馴れ合い経営」にあります
「オレと一緒にビジネスをしないか?」もしも知人からそんな誘いを受けたとしたら、どうすればよいでしょう。一人で事業を立ち上げても、なんとか細々とやっていけるだけ。でも2人なら、もっと大きな仕事がやれるかもしれない――そんな期待が高まる一方で、金銭のトラブルも心配になるのでは。そこで今回は、2人ビジネスの注意点についてご説明しましょう。



怖いのは「馴れ合い経営」だ!


確かに共同経営を始めてトラブルになる話を耳にします。ですが、話をよく検証すると、実は「共同経営」ではなく「馴れ合い経営」である場合が多いようです。

共同経営と馴れ合い経営の本質的な違いは、経営者として自立しているか否かに集約されます。1人でやっていける個人同士がさらなる成長を求めて、お互いに自分の不得意分野を補填しあうことを目的として、協力しながら一つの事業に取り組むのが真の共同経営なのです。

スタートを決めた際に、2人で仕事をする際の一般的な留意点は次のようになります。

1.代表者を決める


事業を始めるということは、事業を窓口にして社会と触れ合うということです。そのためには事業そのものが住所や通帳を持つ必要があります。儲かれば税金も払わなければなりません。そのための代表者だと考えましょう。どちらが上とかいう問題ではありません。

2.役割分担を決める


お互いに苦手な部分を補填できれば理想です。人付き合いが上手な人が営業で、無愛想だけど数字に強い人が経理といった感じです。

3.利益の配分率を決める


利益が出たときの配分は、事業そのものを1人分で数えることが大切です。これを内部保留と言います。更に大切なのは損した時の負担配分です。最悪を想定して、最初にケンカのシミュレーションをしておいてください。

4.人事と指示者の明確化


ものすごく大切です。他人を雇った場合に、その人への指示を誰が出すのかを決めて、必ず守るようにしましょう。これは経営用語で、命令系統の一元化と言います。小さな会社でこれが乱れると命取りの事態に発展します。



共同経営は2人で損ばかりしながらも夢を語りながら頑張っている段階では喧嘩しながらでも続くものです。一番目の危機が訪れるのは、皮肉なことに事業の初期危機を脱して順調に儲かりだし、人を雇えるだけの余裕が出来た時です。

そして、当たり前のことですが、2人で商売の骨格を綿密に詰めておいてくださいね。「誰に、何を、幾らで、どうやって」提供し、「何を強みとして、お客様の満足」を獲得するのか? 同じサービスを提供するにしても、品質で勝負するか、安さで勝負するかなんてことで意見が対立するようなら、事業は空中分解してしまいます。どうかよいパートナーシップを築き、2倍の成功を手にしてください。
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