企業のIT活用/システム導入事例

風林火山 武田信玄、砥石城攻めで大敗(2ページ目)

戦国武将に学ぶシステム作りNo11です。武田晴信の砥石城攻めが始まりました。ところが水の手を断ったのに城はなかなか落ちません。そこへ村上義清の後詰の知らせが入ります。退却すべきか信玄は悩みます。

水谷 哲也

執筆者:水谷 哲也

企業のIT活用ガイド

武田軍の軍議

武田軍で軍議
武田軍で軍議
急遽、武田軍で軍議が開かれました。

「殿、村上と高梨の和睦がなった今、村上に後詰にまわられれば我が軍は城と村上に挟撃されてしまいます。撤退しかありません。」山本勘助が退却を武田晴信に促します。

「いや、城の水の手を断ち、もう城は持ちますまい。村上は寺尾城を攻めており、その間に落としてしまいましょう。殿!」
砥石城を落とせば旧領を回復できる真田はさらなる城攻めを提言します。

「ううむ。よし今一度だけ、力攻めしてみよう。それで落とせねば撤退するぞ。」武田晴信は決断しました。

開発プロジェクトがスタート

「今度の販売システムは、わが社の命運をかけたシステムだ。各自しっかりやってほしい。」社長のキックオフ宣言により、開発プロジェクトがスタートしました。

携帯電話を使い新技術に挑戦した野心的なプロジェクトです。同業他社よりも一歩先を行く販売システムを構築し、一気に市場シェアを狙うのが目的です。

もともとはベンダーから新技術を使ったシステム開発の提案を受け、社長がトップダウンで進めました。システム開発で特に重要となるのが社内システムと外部システムとの連携です。
開発プロジェクトがスタート
開発プロジェクトがスタート

社運をかけたプロジェクトには各部門から第一線の人材を投入し、仕様を固めていきます。システム提案をしたベンダーはプロジェクト内で、外部システムとのインターフェースなどを詰めていきます。

プロジェクトがスタートしました。しばらくすると新技術を使っているためか想定していたほどのパフォーマンスが出ないことが判明しました。外部システムとの連携部分でボトルネックが発生してしまいました。

そこでパフォーマンスを改善するため、仕様を見直し、重要でない機能を削ぎ落としていくことにしました。ただ各部門からプロジェクトに参加し、仕様を固めてきたプロジェクトメンバーからは猛反対。

現場と調整しながら仕様を確定してきたプロジェクトメンバーにとっては、今度は機能を削る後ろ向きの議論を各現場でしなければなりますん。ただし機能を削らなければパフォーマンスは確保できません。議論につぐ議論で、ずるずるとスケジュールが延びていくことになります。

プロジェクトの中止を進言

「社長、当初の予定からどんどんずれています。パフォーマンスの改善の目処もたっておらず、いったんプロジェクトを中止し見直してみませんか。」プロジェクトリーダーが社長に進言しました。

「何をいっておる。これだけ投資をしているからには是が非でも成功させねばならぬ。あと少しだ、がんばれ」社長は聞く耳を持ちませんでした。

そんな中、異業種からよく似たシステムが稼動したとプレスリリースがありました。
プレスリリースを検討したところ、この会社で構築を考えていたシステムとよく似ていました。

ただしアプローチが違っており、携帯電話を使わず独自のモバイルシステムを使っています。発表した会社ではかなり構築費がかかったため、パッケージとしての販売を考えており、少し手直しすれば自社への導入が可能なようです。

社長はプロジェクトメンバーを集めて検討することになりました。
プロジェクトでは喧々諤々の意見が
ロジェクトでは喧々諤々の意見が

「社長、現在のプロジェクトを続けていても機能削減を行えば、現場であまり活用できないシステムになってしまいます。ここはシステム開発をあきらめて、パッケージ導入を検討しましょう。」

「いや、かなりパフォーマンスは改善されています。ここまで投資した分をゼロにするのはあまりもったいないので、あと少しだけですからプロジェクトを続けましょう。」システム提案をしたベンダーが必死に説得します。

「社運をかけたプロジェクトで、人的にも金額的にもかなり投資をした。ここでやめてしまってはやはり元も子もない。プロジェクトは続行しよう。」社長の決断がおりました。

そしてその時:武田軍の大敗北 砥石崩しへ
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