企業のIT活用/システム導入方法

SaaS 中小企業のIT化を推進する「サーズ」

SaaS(サーズ)はソフトウェアをユーザー側にインストールするのではなく、ベンダー(プロバイダ)で用意したソフトウェアの機能をユーザーがネットワーク経由で利用するサービス形態です。

水谷 哲也

執筆者:水谷 哲也

企業のIT活用ガイド

SaaSとは

「SaaS」という言葉をご存知ですか?
「サース」または「サーズ」と呼びます。
ソフトウェアの新しいサービス形態 SaaS
ソフトウェアの新しいサービス形態 SaaS

「サーズ」と聞くと新型肺炎「SARS」(重症急性呼吸器症候群)と間違えそうですがソフトウェアのサービス形態をあらわす言葉です。「SaaS」はSoftware as a Serviceの略です。

ソフトウェアをユーザー側にインストールするのではなく、ベンダー(プロバイダ)が用意したソフトウェアの機能をユーザーがネットワーク経由で利用するサービス形態です。

今まであったASPサービスとどこが違うのか疑問がわきますが、基本的にあまり違いはありません。しいて言えば、「SaaS」では複数のお客さんでサーバーやDBを共有するためASPサービスに比べコストが安くなります。また一律サービスではなく、企業ごとにメタ情報というのを使ってカスタマイズすることが可能になります。

SaaSのメリット・デメリット

では自社サーバーにソフトを導入するのと「SaaS」を活用するのと違いをみていきましょう。

「SaaS」を導入するメリットは
・導入費用が安い
・サーバーなどインフラ整備の必要がない
・使えないと思えば解約ができる
・導入期間が短い
・サーバー管理などITスキルのある人材を確保しなくてもよい
・ソフトのバージョンアップなどベンダーがやってくれる
です。

またシステムが動き出した後に、企業を取り巻く環境が変わり社員が増えたり減ったりしても柔軟に対応できます。基本的には従量制料金の額を社員数によって増減するだけです。

デメリットはある程度のカスタマイズはできますが自社にとってかゆいところに手がとどくシステムにならない点です。また自社の他システムと連携しようと思っても外部システムを使っているので難しくなります。当然、ネット接続にトラブルがあるとサービスを使うことができません。

「SaaS」はASPの進化形に位置づけられています。2000年頃からASPが登場しましたが、通信回線や使い勝手の問題などから普及に時間がかかりました。やがて光ファイバーなどブロードバンド化がすすみ、使いやすいソフトが登場しました。特にセールスフォース・ドットコムの営業支援ソフトが成功したことにより「SaaS」が注目を集めました。

セールスフォース・ドットコムでは商談の進捗状況や取引先管理などの機能をネットを通じて提供しています。利用料金は毎月のユーザー数によって決まります。

セールスフォース・ドットコムの成功に刺激されSaaS専業のベンダーが次々に登場しています。従来型のパッケージを店頭販売していたベンダーもSaaS型ビジネスに乗り出すなど、「SaaS」の動きが広がっています。

次は「SaaS」を活用するにはどうすればよいかみてみましょう
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