企業のIT活用/システム導入方法

ASPの正しい選び方

経営資源の少ない中小企業にとってソフトを買わずにASPを活用するのが一番。ASP選びのコツについてみていきましょう。

水谷 哲也

執筆者:水谷 哲也

企業のIT活用ガイド

ASPという名前を聞くと何か新しいソフトのように聞こえますがプロバイダーが提供しているブログやレンタルサーバーもASPサービスです。
ブログやレンタルサーバもASPサービス
ブログやレンタルサーバもASPサービス

ブログを書く場合、プロバイダーのサイトにIDとパスワードでアクセスし、自分のブログの管理画面に入って記事を書きますが、この時にASPサービスを利用しています。

このブログのソフトはプロバイダーが提供しています。このようにアプリケーションソフトをインターネットを通じてサービス提供することをASPサービスと呼んでいます。ASPはApplication Service Providerの略です。

ASPが延びた背景

10年ほど前、ASPサービスはほとんど見かけませんでしたが、今は多彩なASPが登場しています。

パソコン通信、華やかりし頃は従量制料金が当たり前でした。ネットに接続する時には時間を気にしながら接続していました。1995年にテレホーダイが始まり23時から翌日朝8時まで、あらかじめ指定した2つの電話番号にかけた電話料金が固定料金になりました。これが従量制料金から固定料金への第一歩となりました。

やがてISDNが登場し、本格的にフレッツサービスが始まるといろいろなASPサービスが登場しだしました。その後、「Yahoo!BB」などADSLや光通信が普及しブロードバンドで常時接続が当たり前になりました。インターネット経由でASPサービスを使っても全然ストレスがない環境が誕生したことがASPが延びた背景です。

ASPのメリット

ではASPを使うメリットをみてみましょう。ASPと同じ機能を持つパッケージソフトに比べ、まず初期コストが安い点があります。

パッケージソフトの場合、最初に初期コストがかかり、後は基本的に支払う必要がありませんが、ASPの場合は決まった月額料金を支払い続けることになります。その分、初期コストを安くすることができます。
ASPサービスだと初期コストを安くできる
ASPサービスだと初期コストを安くできる

ただしソフトをバージョンアップする場合、パッケージソフトはアップグレード料金を支払ってアップグレードしなければなりませんが、ASPの場合、プロバイダー側で勝手にバージョンアップしてくれるので手間がいりません。また月額料金も変わらないのが基本です。

ASPはパッケージソフトのように各PCへインストールする必要がありません。Webブラウザーがあれば使えるシステムですので、専門的知識があまり必要ありません。セキュリティ確保についても基本的にASP業者がやってくれます。

またパッケージなどの専用画面でなくWebブラウザーを使って行いますので初心者に理解しやすく導入時の教育やマニュアル作成などが簡単な面もあります。

ASPのデメリット

反対にデメリットをみてみましょう。ASPを長く使い続けると、月額料金がパッケージソフトの金額を上回り料金的には割高になります。ただし、パッケージソフト代だけではなく実際にはサーバー代や運用費なども含めて考えると必要があります。

また何らかのトラブルでインターネットが使えなくなるとASPサービスを使った業務は全部ストップしてしまいます。インターネットが止まった時、手作業で行うなど対応について考えておかなければなりません。

次はASPサービスや提供業者を選ぶコツをみていきましょう。
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