企業のIT活用/システム導入方法

ぼったくりの見積をチェックする(2ページ目)

見積書を受け取っても、それが適切な見積かどうかなかなか判断できません。そのためのチェック方法をお教えしましょう。

水谷 哲也

執筆者:水谷 哲也

企業のIT活用ガイド

ITコンサルタント「面倒でも合見積もりをとるのが基本です。しかも、ITベンダーさんには別の業者さんに合見積もりをとっていると言う方が適切な見積もりになる効果があります。」

ITコンサルタント「また、出てきた見積のそれぞれの項目を比較することで不要なものを発見しやすくなります。では、細かく中身を確認していきましょう。」

不要なものは無いか?

ITコンサルタント「社長さん、御社では確か、ページプリンターを導入されていましたよね。」

経営者「あの、ネットワークにつながっているプリンターですか?ええ、買ってますが。」

ITコンサルタント「見積にページプリンターが15万円で上がっていますが、社長さんの会社では既存のプリンターが1台があれば充分でしょう。」

ITコンサルタント「さっき、ITベンダーさんに項目を一つずつ確認してくださいとお願いした目的は不要なものを発見することにあります。ITベンダーさんが、これはページプリンターと言われたら、今、導入しているプリンターは使えないか社長さんでも確認できますよね。」

経営者「なるほど、そうすると15万円得するわけですね。」

オーバースペックになっていないか?

ITコンサルタント「いやいや社長さん。別に得するわけではなく、本来、不必要なものです。それから、これハードウェア構成がRAID5になっていますね。」

経営者「なんですか?そのレード何とかって?。」

ITコンサルタント「これは専門用語なのですが、データを保存するハードディスクがまれに故障することがあります。そこで、複数台のハードディスクを1台のハードディスクのように見立てて、複数のハードディスクに分散して書き込む方法です。冗長性を持たせるので信頼性が高まります。」

経営者「そら、けっこうですなあ。」

ITコンサルタント「確かに、よいのですが、それなりにコストはかさみます。こっちの親会社からの仕様書を見てください。運用で、受注側は1日1回、受注データのバックアップを念のためにとってください。元データは親会社側で保管していますので、万が一失った場合などはご連絡くださいと書いてありますよね。」

経営者「あっ、本当だ。」

ITコンサルタント「MOや、データが少なければフロッピーでもかまいませんのでバックアップすればよいだけです。つまりこの仕様からいくとRAID5はオーバースペックになっているわけです。ただRAID5を導入しておくと、ハードディスクを原因とするようなサーバーダウンを最小限におさえる効果もありますが、御社の業務の流れではそこまでのサービスレベルは不要でしょう」

経営者「うーん、なるほど。」

ITコンサルタント「いいですか。ITベンダーには項目毎に一つずつ説明してもらい、仕様書のどこに対応しているのか確認することです。そうすると今のRAID5などは対応しませんので、これはオーバースペックになっていないかと質問できるわけです。これがコツですよ。」

さて、いかがでしたか、最後に見積のチェック方法をまとめましょう。

項目を一つずつ説明してもらう
  ・ITベンダーにチェックする姿勢を見せる。
  ・仕様書と対比しオーバースペックは無いかチェック
合見積もりをとる
  ・項目を見比べ、不要なものは無いかチェック


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