先日も細かく仕様を決めて、大手ITベンダーと中堅のITベンダーに見積依頼を出したのですが、返ってきた数字には2倍の開きがありました。 ただ中にはある程度、相場が決まる案件もあります。
相場が割と決まりやすい案件
ハードウェアが主体のシステム開発の場合は、どのITベンダーに発注しても、2倍も見積価格が違うようなことはありません。例えばLAN構築のような場合です。パソコンがソフト込みで、10台必要であれば、1台当たり20万円として10台で200万円、その上にサーバーを1台入れてLANの設定をしてと足し算で概算が出てきます。 グループウェアの導入なども同様です。基本的にパッケージを買って導入しますので、使うユーザー数でおよその金額が出てきます。
これがソフト主体のシステム開発の場合となると、なかなかうまくいきません。
ITベンダーの見積方法
では、なぜそうなるのかITベンダーの立場にたって見積方法を見てみましょう。まずユーザーから出てきた仕様がシステムエンジニアに渡されて見積が行なわれます。 例えばファンクションポイントと呼ばれる見積方法では、ユーザーからの仕様書などをポイントとして表現し、画面や帳票の数から開発に必要な工数を求めます。処理が複雑になると当然、工数も増えます。
別の方法としては、過去の類似システム開発の工数を参考にして見積を行なうこともよく行なわれます。
類似の開発例が無い場合は、何人ぐらいのシステムエンジニアやプログラマーが必要で、どれぐらいの工数がかかるかを計算します。いわゆる人月計算というやり方です。だんだん減りつつはありますが、根強く残っています。
エンジニアの相場って?
大手ITベンダーでシステムエンジニアの1人月単価は90万円から120万円ぐらい、中堅のITベンダーでは60万円から90万円ほどになります。一番安いITベンダーと一番高いITベンダーとではこれで2倍の差になります。大手ITベンダーの場合はシステムエンジニアの給与が一般的に高く、また間接部門の経費がけっこうかかりますので、どうしても割高になりがちです。
安い見積もある
また、特定分野に強いITベンダーでは、見積価格が安くなる時があります。これは過去の色々な開発で、プログラムの蓄積がある場合です。 開発に必要なプログラムが、過去にほとんど開発済みで、またきちんと部品の形で整備して揃っていれば、新規開発する部分は一部分ですみます。もっともなかなかこういうITベンダーは少ないのですがさて、ITベンダーからは上記で計算された額が見積数字としてそのまま出てくるわけではありません。その理由は...