企業のIT活用/システム運用管理

オフコンシステムの移行(3ページ目)

まだまだオフコンを使っている中小企業がたくさんあります。パソコンを使って統合システムへの移行を検討してみませんか?情報化コストを下げることもできます。

水谷 哲也

執筆者:水谷 哲也

企業のIT活用ガイド

オフコンのデータをどう移行するか

パソコンシステムを稼働させるには、台帳登録が必要となります。勘定科目台帳、顧客台帳、売上台帳、仕入台帳などです。通常、オフコンのデータをテキスト形式で出力できるツールがありますので、これでオフコンから出力して、パソコンの表計算ソフトなどで加工し、パソコンの会計ソフトや販売・仕入ソフトへ登録します。

古いオフコンでデータを出力できるツールが無いような場合は、台帳を紙に印刷して、人海戦術でやりましょう。

パソコンシステムの問題点

オフコンシステムに比べると、いいことづくめのパソコンシステムですが、パソコンシステムでも色々と問題があります。

(1)サーバーを使いこなす必要がある。

パソコンを3台以上、導入するようになるとサーバーという少し高機能なパソコンを導入する必要があります。これによってサーバーのハードデイスクを皆で共用したりすることができます。

また外部とインターネット接続する場合には外部から入ってこられないようにファイアーウォールの設定を行う必要があります。ベンダーさんに最初は構築をお願いしますが、日々の運用は自社で行う必要がありますので、ある程度の勉強が必要になります。

1週間に1回は台帳などのデータをきっちりバックアップしましょう。故障することは少ないですが、無いとは限りません。データは自社の命ですので、しっかりバックアップを取りましょう。何かあった時にはバックアップしたデータをパソコンに戻して、最大1週間分のデータを伝票から再入力しましょう。

(2)自社で管理する必要がある。

オフコンですと、社員がインターネットでダウンロードしたソフトを入れること自体が無理ですが、オープンな環境というのがパソコンの魅力ですので、ダウンロードなどがすぐに出来ます。皆が勝手に色々とダウンロードしたりするとシステムがだんだんと不安定になってしまいます。ソフトのバージョンアップの担当を決める、ダウンロード手順の作成などガイドラインが必要になってきます。

パソコンシステムへの移行時の注意点

次はパソコンシステムへ移行する場合の注意点です。

(1)統合化ソフトを導入する

統合化パッケージソフトの導入を考えましょう。統合化パッケージソフトというのは個々のソフトが単独で動くのではなく連携して動くソフトです。例えば仕入・販売ソフトから会計ソフトに仕訳データが連携され、会計ソフトで仕入・販売データを入力しなくてもよくなります。

最初からあれもこれもと多機能なソフトを入れるのではなく、基本となる会計ソフト、仕入・販売ソフトをまず導入して、習熟度を上げてから、他のソフトを導入していきましょう。あとで導入して連携ができるパッケージソフトを選ぶのがコツです。

まずは自社でパソコンで行いたい業務を洗い出し、その導入計画表を作成しましょう。自社の業務をカバーできる統合化パッケージを検討する作業が必要です。

(2)オフコンとパソコンの並行稼働

オフコンからパソコンシステムへ移行した際は、二重入力となり大変ですが、月末処理ぐらいまでは両システムを並行稼働させ、パソコンから出てくる帳票とオフコンから出てくる帳票を相互チェックしましょう。すんなりと移行できることができます。

リアルタイム経営へ

オフコンシステムからパソコンシステムに入れ替えを行い、会計システムや仕入・販売システムに毎日データを入力し、使いこなしていきますと、日々の経営状況をリアルタイムで把握できることができます。経営に対する大きな武器になりますので、ぜひご検討されることをおすすめします。

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