この木戸バネ製作所は典型的な町工場で、注文は商社からもらっています。商社の担当者が啓太の先輩でもある黒木修二(渡辺徹)で、番組ではこの後たいへんな騒ぎに発展していきます。
公正取引委員会から調査票が
朝の連続テレビ小説の再放送を見ていたところに公正取引委員会から封筒が届きました。調査票が届く |
公正取引委員会事務総局『経済取引局取引部下請取引調査室』という長い名前が送り主です。
封筒を開けると中から『親事業との取引に関する調査票』という調査票が出てきました。『えっ、何でウチにこんな調査票が送られてくるの?』と一瞬考えましたが、法律が改正されていたことに気づきました。
ガイド記事システム開発が下請法の対象 |
システム開発が下請代金支払遅延等防止法(下請法)の対象となりました。従来は製造業の下請事業者を保護するための法律でしたが、改正されシステム開発が新たに対象となっています。 |
下請代金支払遅延等防止法(下請法)という法律があります。従来は連続テレビ小説「ファイト」の木戸バネ製作所のように親会社から製造委託や修理委託を受ける取引が下請法の対象でした。
2004年4月から法律改正となり、情報成果物作成委託と役務提供委託が新たに対象となっています。
情報成果物作成 |
テレビゲームソフトや会計ソフト等のプログラム作成の他、映画、放送番組、ラジオ番組やアニメーションのように音声や映像などで構成されるもの、設計図、ポスターのデザイン、コンサルティングレポート、雑誌広告など文字や図形または色彩との結合で構成されるものが該当します。 |
役務提供 |
役務というのは行政でよく使う言葉でサービスのことです。運送事業者、ビルメンテナンス業者などが該当してきます。 |
映画は情報成果物作成 |
従来から公正取引委員会により書面調査が行われていましたが、法律改正で対象取引が広がったためウチにも送られてきたようです。
今までこんな調査票を送られたことがなかったITベンダーやデザイン会社、運送事業者などにも今年から送られています。また個人事業主も対象ですのでSOHO業者のところにも送られ、おそらく調査票を見て面食らっていることでしょう。
調査票について見てみる前に前提となる下請法について簡単におさらいをしておきましょう。
下請代金支払遅延等防止法(下請法)って
下請代金支払遅延等防止法は下請取引の公正化及び下請事業者の利益の保護を図ることを目的としています。親企業に比べ弱い立場である下請事業者を守るための法律です。法律で定められた親事業者の義務は4つあります。
1.書面の交付義務 |
2.支払期日を定める義務 |
3.書類の作成・保存義務 |
4.延滞利息の支払義務 |
受領拒否は下請法違反 |
この義務がきちんと守られているかどうかを調査するのがこの調査票です。ネットで公開されている国会答弁などを見ていると公正取引委員会から約10万の調査票が送られています。
もちろん全ての下請事業者に調査票が出されるわけではなく、親事業所より提出のあった下請事業者名簿から無作為に抽出して送っていると注意書きにあります。
次は送り主である公正取引委員会のおさらいです。
市場の番人:公正取引委員会
現在の市場ではフリー(市場原理が働く自由な市場)、フェア(透明で信頼できる)が原則です。公正取引委員会は公正かつ自由な競争が市場で行われるよう市場の番人として常に目を光らせています。このことが最終的には消費者の利益につながります。公正取引委員会は独占禁止法を運用するために設置された機関で、あわせて独占禁止法の補完法となる下請法、景品表示法の運用を行っています。
今回はこのうちの下請法に関する調査になります。では調査票の中身を見てみましょう。
調査票ってどんなの? >>