文書を誰もが素早く探し出すことができるようにするにはファイリングの技術が重要です。
ファイリングの極意
先日、日本国際秘書学会会長の西澤眞紀子さんにファイリングの極意を教えていただきました。コツはやりかけフォルダーというのを作ります。懸案の文書を入れるフォルダーで、中には1日か2日で仕上げるやりかけの文書を入れます。
通常の個別フォルダーはファイルの内容を端的に表すタイトルを書きますが、やりかけフォルダーには個人名を書いたラベルをはります。
部門の全員が自分のやりかけフォルダーをもちます。そして部門に備え付けたキャビネットの一番先頭のところに全員のフォルダーを納める場所を作り、そこをネグラにします。
朝、出勤したら社員はやりかけフォルダーを取り出して机にもっていき、仕事をします。仕事が終われば、その文書は本来分類すべき個別フォルダーに移して管理します。
もし、仕事が終わらなければ、やりかけフォルダーに戻し、退社時にキャビネットの先頭に返します。そうすると、本人がいない時にでも誰でも文書をすぐに探せて使えます。
情報機器の管理台帳を作る
これを情報機器の管理に応用できないか考えてみましょう。まずは社内にある情報機器の管理台帳を作ります。多くの企業では部門単位でパソコン導入やLANなどを導入しているところが多く、全社的な管理台帳を作っていません。
社員が持っている情報機器の所在はどこにあり、外部に誰が持ち出して、どう活用しているのか管理台帳で把握できるようにします。また使用ガイドラインを設けることが第一歩です。
出張などで持ち出す社員はノートパソコンにテプラーなどで、電車等に絶対に忘れるな!と貼ってから持ち出しを認めるのも一つの方法です。
管理台帳では、大容量のデータを保存できるメデイア、例えばUSBメモリーやCD/RW等も管理対象にします。労力はかかりますが、ぜひ行ってください。
部門にキャビネットを置き個人名を書いた箱を用意します。USBメモリー等には個人名のラベルを貼ります。これがやりかけフォルダーです。
出勤したらキャビネットから持ち出し、退社時にキャビネットに戻します。最終退出者がキャビネットに鍵をかけて帰ります。もちろん外へ持ち出す場合は管理台帳に持ち出したことを記録します。
個人情報を守るという姿勢が大切<
これで盗難など完全に個人情報漏洩を防げるわけではありません。ですが中小企業ではセキュリティを完全にするためにコストをかけられないのが実態です。管理台帳があれば万が一、事件が発生した時にトレース(追跡)することもできます。
それよりも管理を厳重にし、困難だという印象を与えるのが目的です。「皆で声を掛け合って個人情報漏洩を防ぎましょう」と標語をはるだけでも違ってきます。
もちろん常々、個人情報漏洩について経営者が社員に喚起し、管理台帳が形骸化しないように目を光らせているのが一番の基本です。
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