不動産チラシを見ると100年住宅なる言葉を目にすることが増えましたが、マンションのような集合住宅の耐用年数は何年ぐらいなのでしょう。一時期、住宅雑誌などには耐用年数は60年と書かれていたのを記憶しておりますが、その根拠は何なのでしょう?
この数字、実は税務上の耐用年数のことで、マンションなどの鉄筋コンクリート(RC)造りの建築物で用途が居住用の場合に減価償却期間算出のための耐用年数を指しています。建築物としての物理的な寿命のことではないのです。
その証拠にこの60年という数字は改正があって47年になりました。建築技術は進歩しているのに物理的な寿命が13年も短縮されることは理不尽であることからもご理解いただけると思います。
■28年たった床下の排水管
前出の100年住宅というフレーズ、「100年間住み続けられる」という意味であると思いますが、もちろん適時適所のメンテナンスが十分行われての話であることはご想像の通りです。
長い年月で管内はサビだらけ 28年の長い歳月が物語る
写真(上下ともに)は昭和49年12月に完成した都内マンション(総戸数67戸)の床下排水管です。管理組合は機能しており、年一回の定期的な排水管清掃も行われていますので、決して管理状態がおろそかではありません。にも関らず、サビでボロボロとなっています。さらに時間がたつと継ぎ手部分などの腐食が進行して漏水事故の原因へとつながっていきます。
皆様のご宅は大丈夫ですか?手遅れにならない工夫を!
この写真はリフォームする時にフローリング工事を予定していたので、同時に床をはがし配管をすべて交換したときのものです。
■給水管・雑排水管の周期は18~24年
マンションの躯体(コンクリート)が50年以上もったとしても、外壁や配管・消防・電気設備などはその半分も使用できません(下記参照)。大事な資産であるマンション!長期修繕計画にのっとり、しっかりとメンテナンスして欲しいものです。
<修繕項目と標準的修繕周期例>
・屋上防水工事(露出部分):12年~15年 ・外壁 共用階段・廊下などの塗り替え:12年~18年 ・給水設備(給水管 受水槽 ポンプなど):18年~24年 ・雑排水設備:18年~24年 ・電灯 電力幹線ケーブル:24年~32年 ・エレベーター設備:24年~32年 |