大学生の就職活動/就職活動の準備

バイトで学ぶべきことは「働くプライド」(2ページ目)

アルバイトで学ぶべきことは「働くことへのプライド」だ。それは仕事に責任を持つことであり、仕事の厳しさを体感することでもある。「働くことへのプライド」を持つ学生を人事担当者は必要としているのだ。

執筆者:見舘 好隆

専門知識や技術を獲得することができるか?

『梅の花』でなら、「懐石料理に関する基本的知識や作法」を学べると彼女が指摘しているポイントは、とても重要だと私は思う。なぜなら、「お金を貰って専門知識を学べる」からだ。考え方によってはとても素晴らしいことだ。

「フレンチ」のガイド・嶋さんに聞いた話によると、リーズナブルな価格の居酒屋チェーンなら、ほとんどがセントラルキッチンで料理を作って店舗に配送しているそうだ。つまり店舗では調理はしない。ただ、温めて皿に盛るだけだ。揚げ物も最近は冷凍技術が進んでいて、チンするだけでそれなりの料理になる。まあ、安いしそこそこ美味しいわけだから、お客様としては全く問題ないんだけど、果たしてアルバイトで働くとするならどうだろう。

もちろん、将来フード業界に就職する、もしくは店を持つなどの夢が明確なら、物流システムや運営マニュアルなど学ぶところはあるだろう。でも別にフード業界を意識していないなら、どうせなら美味しい料理を手作りで作っているところで働き、そのジャンルにおける専門知識やノウハウを覚えたほうが、どう考えたって得だと思う。

例えば魚にしても、肉にしても、野菜にしても、いつが旬で、仕入先はどこで、どう調理すればいいのか、どう盛ればいいのか、などなど学んでおいて損は無い。一人暮らしで自分で美味しい料理が作れるようなるなら、願っても無い話だ。お寿司屋であれば、お寿司を握れるようなるのかどうかは、そのお店のビジネスモデルによって決まる。機械が握ったシャリにすでに切ったネタを乗せるだけのアルバイトで、一体何が学べるのだろうか。

アルバイト選びに「専門知識や技術をゲットできるか?」の視点はとても重要だと、私は思う。
※私がアルバイトした頃は、まだ寿司を握る機械はそんなに普及していなかった。よって寿司を握る特訓を受けた。目の前に秤を置いて、決まった量のシャリを手に取れるかをまず何回もやる。そしてネタを取って山葵を塗って程よい力で握る一連の作業をスムースにできるまでに相当時間がかかったよ。大変だったけど、楽しかった。今でも握れるから、手巻き寿司パーティーの時には、実演できる。技術はいい。身体が覚えていて、決して忘れないから。




※次のページで、バイト先で仕事の厳しさを学ぶことの意味を知る!

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