「面接官の名前を聞く」で10馬身リード!
「これは大切なことなんだけど、面接官が一体どんな人なのかを聞くことだ」彼女はよく理解できないようだ。
「まず、面接官は、人事なのか、人事以外なのか?だ。これで自己PRを少し変えるから」
「ええ?自己PRを面接官によって変えるの?」
「そうさ。例えば面接官が人事なら、用意してきた自己PRでいいよ。でも、人事以外、例えば営業部のマネージャーだったらどうする?」
「同じ自己PRでも、営業に則した話をしたほうがいい」
「その通り。例えば企画の仕事が希望であっても、“営業を支援する企画”という言い方をしたほうが、面接官は嬉しいはず」
「うんうん」
「逆に企画部のマネージャーなら、店舗訪問や先輩訪問の中で得た、“企画部の仕事”に触れながら自己PRをすれば、面接官は嬉しいはず」
「うんうん。わかった。よく考えたら、相手によって話す内容を変えることって、普段やっていることだよね。でも、面接中に、面接官にそんな質問なんてできるの?」
「“面接は受身”と思い込んでいる学生には、“面接で質問する”ことはできない。でもね、そもそも面接官と君は初対面だよね。初対面同士であれば、お互いが自己紹介をするのが社会常識だ。普通、面接官は最初に“人事の○○です”と名前を言うはず。その時、名前だけだったら、どんな人かわからないよね。そんな時は、さっと名前を手帳にメモをし、“○○さんですね。失礼ですが、どちらの部署にお勤めでしょうか?”と聞いたらいい。いないと思うけど、もし名乗らない面接官だったら、面接の最初に、“部署とお名前をお聞きしたいのですが”と聞けばいい」
「面接中に手帳を出してもいいの?」
「いいさ。面接でも会社のいろいろな情報を教えてもらえることがある。忘れないようにメモするのは当然だ。それにメモを取る方が熱意が伝わる。もちろん、メモするのはキーワードだけだよ」
彼女は納得したようだ。そうだ、面接だって会話なんだ。コミュニケーションなんだ。相手がどんな人なのか把握するのは当たり前だし、わからないことは聞く、大切なことはメモをするのは、普段やっていること。面接だからコミュニケーションをしないなんて、おかしい。
「そうか!だから面接の最後に“何かご質問は?”と面接官は聞くんだよね!」
「その通り。コミュニケーションに必要な質問、もしくは自己PRに繋がる質問は是非するべきだ。質問に答えるだけが面接じゃない。質問ができる学生こそ、一緒に働きたいと思える学生なんだ」
彼女は大きく頷いた。
「最後に、面接官の名前を聞く意味、わかるよね」
「わかるよ!面接官に面接レポートを出すためだ!」
「正解!これで、10馬身だ」
「ありがとう!見舘さん!たった1日なのに、気がついたこと、たくさんある。これで大丈夫のような気がする!!」
「その“大丈夫な気がする”が大事なんだ。1次は10馬身も差をつけたから、きっと大丈夫だよ。でも、2次、3次となるとその差は詰まってくる。この差を維持するために、今日やったことを」
「内定を取るまで続けていけばいいんだね!」
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店を出て、駅で彼女と別れた。
彼女は、今まで以上に、力強い足取りで、去っていった。
一つ一つのアクションには意味がある。
よって、すべてのアクションを行えば、面接突破力は必ずつく。
でも、全てのアクションを行っている学生はいない。
だからこそ、すべてのアクションを行えば、面接を突破することができるんだ。
彼女は、何度も心の中で、自分に言い聞かせた。
※面接が終わったら、「お茶する」のを忘れず!
※あと、「面接日記」を書くのを忘れずに!
※次のページが後日談!さあ、面接突破大作戦の結果は?