大学生の就職活動/就職活動での業界・企業研究

社長不在の就職会社説明会はダメ?(2ページ目)

会社の本音は、社長が一番知っている。よって説明会や面接で社長が登場しない会社は、本音を学生に伝える気が無い会社と考えていい。逆に社長が本音を語ってくれて、好きになった会社こそ第一志望にする方がいい。

執筆者:見舘 好隆

会社説明会で社長がスピーチしているか?

年に10回開くすべての会社セミナーで、坂本社長は自ら熱弁を振るう。

「1000名以下の規模の会社の会社説明会で、社長が話をしないのは間違っている。ビデオでもいいから社長のスピーチを聞かせなければダメだ。」

大企業の社長ならいざ知らず、1000名以下の規模の会社の社長にとって、即戦力でない新卒の採用活動は、かなり長期的で重要な戦略の一つのはずだ。その、新卒採用という、巨額な投資、つまり自分の会社の将来を担う“人財”を採る場に、社長自身が臨まないこと自体が問題なのだ。

また、会社にとっても学生にとっても、会社説明会においてRJP(Realistic Job Preview、現実主義的な仕事情報の事前提供)を必ず行うべきことに異論は無いだろう。つまり、会社説明会で伝えることは事実、そして本音だ。学生も「この会社を目指すべきかどうか?」と問うために参加している。そして「入社してからでも頑張れるか、一緒に夢を共有できるか」を一生懸命測っているのだ。粉飾した、上っ面だけの楽しい情報を提供しても意味は無い。

となれば、その学生の要望に応えることができるスピーカーは「社長」がベストであることがわかるだろう。雇われたゲストスピーカーでは務まるわけは無い。人事部長でも社長と同じレベルで本音を話すことは難しいだろう。よって、社長自らが、学生に夢と本音を伝えてこそ、会社説明会の役割「学生が受験・入社を自己決定できる情報提供」を完遂できるはずだ。

この当たり前の事実。もし実行していない会社説明会を行っている会社の社長は、新卒採用を軽く見ていると考えていいかもしれない。

※新規学卒者の入社3年以内での離職率は3割以上で、年々増加傾向である。(出典:『雇用の現状<2003年版>』リクルートワークス研究所)

※RJPについては『働くひとのためのキャリア・デザイン』(著:金井壽宏)に詳しい。


※次のページで「会社説明会で社員が本音を伝えているか?」を考える。
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